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ドライフードとウェットフードの違いは、水分量だけではありません。

ウェットフードのほうが健康にいいのはわかっているけど…

わが家の愛猫は、総合栄養食もおやつも、カリカリ派。「ウェットフードのほうが健康にいい」と聞くので、並行してウェットフードもあげるようにしているのですが、気分によって食べたり食べなかったり(ドライフードだと「もっともっと」とおねだりするのに)…。

お水はけっこう飲む方なので、無理してウェットフードをあげることもないように思うのですが、ウェットフードとドライフードって、水分量以外に何か大きな違いがあるのでしょうか? ペットフードに詳しい「仙台プラム・アニマルクリニック」院長の梅原 孝三(うめはら たかみ)先生にお聞きしました。

「猫は水分摂取量が少ないと、病気のリスクが上がります」(梅原先生)

――ドライフードよりウェットフードのほうが健康にいい、といわれるのは、栄養と同時に水分も摂れるからですよね?

梅原先生「それも大きな理由のひとつです。猫の祖先のリビアヤマネコは雨の少ない砂漠に住んでいて、少ない水分摂取で生きられるように体が適応していました。そのため乾きを感じる感覚が弱くなってしまい、その影響で現在のイエネコも、あまり水を飲みたがらないようになったと言われています。体内にたまった毒素は排尿により体外に排出されますが、水を飲む量が少ないと尿が高濃度になり、泌尿器系の疾患の原因になります」

――猫って、1日にどれだけお水が必要なのでしょう?

梅原先生「さまざまな要因によって左右されますが、一般的なガイドラインでは1日のエネルギー要求量(kcal/日)とほぼ等しい数値とされています。例えば体重が4.5kgの猫であれば1日のエネルギー要求量は約260kcalなので、260ml程度の水分が必要です。この水分量は、お水として飲む量と、フードから摂れる水分量の合計。ドライフードに含まれる水分量は10~35%程度ですが、缶詰などのウェットタイプは80%程度ですので、ウェットフードを与えていれば自然にある程度の水分が摂れるのです」


▲「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」(環境省)より転載

――わが家であげているドライフードだと、1日にあげる目安量は60g。ということは、フードから6mlしかとれないということですよね。ウェットのほうは1日分が250gくらいだったので、80%が水分だとすると、単純計算でフードだけで8割くらいの水分がとれるイメージ…。この違いは大きいですね!

「ウェットフードとドライフードは、製造過程でも多くの違いがあります」(梅原先生)

梅原先生「ウェットフードのメリットは、ほかにも多くあります。ドライフードもウェットフードも、多くは肉や魚を主な原料としていますが、ドライフードは粉末の状態で工場に搬入されます。それに対してウェットフードは冷凍された状態で搬入されます」

――つまり、ウェットフードに使用されている原料のほうが、自然な状態に近いのですね。

梅原先生「そうなんです。ですからウェットフードのやわらかさは、自然界で猫が捕食している獲物に近く、肉を噛み切る動作が楽しめるという嗜好性のメリットもあるのです。またパウチ包装の食べきりタイプですので、『基本的に保存料を使わなくても良い』というメリットもあります。食べきりなので、保存による品質の劣化がないのもいい点。」

――こう聞くと、ウェットフードはメリットばっかりですね。デメリットは無いのですか?

梅原先生「まず、ドライフードよりも割高なこと。開封後は保存ができないこと。水分が多く傷みやすいので、食べ残したら早く片付ける必要があることですね」

――そう考えるとドライフードは割安で、保存がきいて、食べてすぐ片付けなくてもいいから、忙しい人にとってはすごく便利ですよね…。それにドライフード好きな猫も多いですし。あのカリカリした食感が、おせんべいみたいでスナック感覚なのかな。

「ドライフードの品質は、保管の仕方で大きく変わります」(梅原先生)

梅原先生「猫がよく食べてくれることが一番大切ですから、ドライフードが好きでしたら無理にウェットフードに変える必要はありません。主食はドライフードが好きでも、おやつはウェットタイプを好む猫も多いので、おやつで水分補給をするのもいいでしょう。ただドライフードは大袋入りのものが多いですが、封を切ると少しずつ栄養成分や風味が失われていきますし、油脂成分が酸化していくので、保管方法に注意が必要です」


▲ウェットタイプのおやつも、水分補給には◎

――ドライフードは、大きな袋入りのほうが割安なので、ついそっちを買っちゃいます…。

梅原先生「体重4kgの猫が500gのフードを食べきるのにかかる期間は7~10日間。1袋に入っている量が多いと使いきりに時間がかかり、質が低下したフードを与え続けることになってしまいます。体が小さく、給餌量が少ない猫にドライフードをあげるなら、できるだけ小分けされたものにしましょう。また残量がわかる透明なガラス瓶にドライフードを入れている飼い主が多いのですが、ガラス瓶だと光が透過して劣化が進みやすいですし、密閉性も頼りないものが多いので要注意。密閉性が高く不透明な容器なら、フードを空気と光、湿気から守ってくれます。遮光性が高く除湿剤も入れられるペットフード専用の保存容器が理想です」

――光と乾燥を防ぐのだったら冷蔵庫で保存すればいいのでは?

梅原先生「ドライフードを冷蔵庫で保管するのは絶対にやめてください。出し入れの時の温度差で結露が発生し、品質の低下や微生物が増殖する原因となります。湿気の少ない戸棚などに保管容器を置き、水分を発生させないようにしましょう」

文・桑原恵美子

参考資料:「猫の寿命は8割が“ごはん”で決まる!」(監修:「仙台プラム・アニマルクリニック」院長 梅原孝三/双葉社刊)。マンガで楽しくわかりやすく、猫の栄養学とフード学の重要ポイントを学べます。

「猫の寿命は8割が“ごはん"で決まる!」

◎監修:「仙台プラム・アニマルクリニック」院長 梅原 孝三(うめはら たかみ)先生

西洋医学だけでなく鍼灸、漢方薬、薬膳といった東洋医学も取り入れた治療を行う。調理師免許、ペット栄養管理士の資格を持ち、犬や猫の食事療法にも造詣が深い。国際中獣医学院日本校 副校長、ペット薬膳国際協会 常任理事長、日本ペット中医学研究会 学術委員、日本獣医皮膚科学会員、比較統合医療学会(旧日本獣医伝統医学会)員 、獣医神経病学会員、日本動物リハビリテーション学会員、認定ドッグライフカウンセラー、認定アニマルアロマセラピスト

※仙台プラム・アニマルクリニック」(http://website2.infomity.net/8070000118/)

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