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「猫が病気で死にそうなんだ」猫に負けた恋人のわたし

猫が死んだ朝

母が動物嫌いだったので、私はペットと暮らした経験がない。

可愛いな、とは思うけど、身近に動物がいなかったから、好きか嫌いかという選択肢すらなかった。遠い国の見知らぬ何か、という感覚でいた。

大学を卒業して付き合った彼は「生まれた時から猫を切らしたことがない」と言うほど、猫好きの家庭に育った。

一緒に散歩をしていると必ず野良猫を見つけるので、「世の中にはこんなにたくさんの猫がいるのね」と驚いたら、大笑いされた。

そして、「関心がないというのは、ある意味、一番の動物愛護だよな」と言う。彼の母親は棄て猫の保護活動をしているらしい。

特に猫好きをこじらせて、たくさんの猫を繁殖させて飼育崩壊してしまった人に、困っているそうだ。「関心がなければ手を出さないから、あなたのスタンスは良いよ」と言われたことがある。

そんな彼と、もう一か月も会っていない。

お互い忙しいから何とかやりくりして、通勤前に駅前で待ち合せたり、彼が仕事場にしているマンションへちょっとだけ寄るなど、細かく時間をつくってきた。

それなのに、今回は「猫が病気で死にそうなんだ」という連絡があり、「猫が亡くなった」と夜中に知らせてきたのを最後に、連絡が途絶えてしまった。

彼自身が拾ってきて、可愛がって育てた子だと聞いていたので、ショックは大きかったのだろう。

しばらくそっとしてあげようと決心して、あまりうるさく連絡をしなかった。マンションにも寄りたかったけれど、静か待つべきだと判断して、何もしなかった。

でも、さすがに一か月も経つと、なんだか気持ちがモヤモヤしてきた。
猫が死んで、そんなに辛いの?って。

ひと月も彼女をほったらかしにするほど、何もできないのかしら?よくわからないけれど、猫が死ぬって家族が死ぬみたいな感じなの?辛くて彼女と会えなくなるほど、苦しい日々が続くの?ちょっと解せない。

猫って罪作りな存在みたいだ。大の男を泣かせて、機能不全にさせるほど、おおきな存在になるとしたら、私は猫に負けてるじゃないの。猫以下なの、私は。

次第に怒りがわいてきて、思い切って、会社帰りに仕事場のマンションに寄ってみた。ドアを開けたらボロボロの彼が出てきて、「あ、来てくれたの?」と言って迎えてくれたが、仕事部屋の中はめちゃくちゃになっていて、たくさんのビールの空き缶があちこちにころがっていた。

「ずっと連絡できなくて、ごめんね」と弱弱しく頭を下げられて、可哀想になってしまった。

「心配してたの。猫が亡くなって、辛かったんでしょう?」と言ったら抱きしめられた。猫一匹でこんなになっちゃうんだなあ、男の人って。

「私、猫と暮らしたことがないからよくわかんないけど、辛いのはわかるよ。でも、こんな風にしてたら、身体壊すよ?猫だってあなたのことが心配で、成仏できないよ?」と言ったら号泣してしまった。

猫め、彼をこんなに苦しめるなんて、憎いヤツだ。

遠い国の見知らぬ何か、のような気がしていた猫だけれど、彼がこんなに好きならば、私も好きになってみようかしら。
関心をもって接すれば、受け入れられるようになるかもしれない。

いつか、私と彼の猫と、いっしょに暮らせる日が来るといいな。

文/柿川鮎子

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