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犬猫の避妊手術と去勢手術のメリットとデメリット【獣医師コラム】

避妊手術と去勢手術【獣医師コラム】

比較的都市部のペットとの生活において、よく議題に上がるのが避妊手術や去勢手術の意義ですね。

最初に私の考えを述べておきます。

私は避妊手術、去勢手術の積極的肯定派です。

理由は、この仕事をしていると手術を行っていないことで高齢になってから病気につながって、状態の非常に悪化した状態で手術に挑戦しなければいけないことに出会うからです。

何度となく、若く健康な状態でしっかりと検査を行ってきちんとした方法で避妊・去勢手術を行っていればよかったな・・・と思うからです。

どんな治療や処置もメリットとデメリットを考えなければいけません。

去勢・避妊手術のまずはデメリットから考えましょう。

去勢・避妊手術のデメリット

1.全身麻酔を行わなければならない

2.健康な個体にメスを入れなければならない

3.避妊手術は開腹手術である

4.手術後ホルモンバランスの変化によって体重の増加などの変化が訪れる

5.手術費用がかかる

6.子供を作ることができなくなる

7.かわいそう

こんなところだと思います。

1.全身麻酔を行わなければならない

この点がたぶん一番飼い主様にとって考えさせられることだと思います。

麻酔は100%安全とは決して言えない処置です。

麻酔によるアレルギーやショック状況に陥り、命にかかわる場合も稀に存在します。

そのリスクを出来る限り下げるのが術前の検査と手術中のモニター、そして麻酔の方法です。

2.健康な個体にメスを入れなければならない

とも関連しますが、元気な子を元気に返さなければいけないということは非常にプレッシャーですが、もう一つ言えるのは、麻酔をかける個体が健康な状態というプラスの面です。

検査も良好、食欲元気もある子に麻酔をかけるのと、ご高齢になって何らかの疾患にかかっていて状態が悪い子にかける麻酔とどっちが安全なのかは、すぐに理解していただけると思います。

3.避妊手術は開腹手術である

これも、きちんとした術前検査、そしてモニター、的確な麻酔や投薬によってリスクは下げられると考えています。

避妊手術は簡単な手術とは口が裂けても言いませんが、最も慣れている手術の一つであります。

手技に関しても長年磨かれた知識の結晶によって行われており、手技の問題で問題が起きる可能性は低い手術と思います。(私がやる場合は)

もちろん過度な肥満などがあるととっても大変になるので、それも含めて若いうちに行うことがメリットになると思います。

4.手術後ホルモンバランスの変化によって体重の増加などの変化が訪れる

食事でコントロールしましょう(結論)

5.手術費用がかかる

一般的な去勢手術は2~3万くらい、避妊手術は3~5万くらいが一般的だと思います。

術前検査の範囲や手術中のモニター疼痛管理の方法などで値段に差はありますが・・・

もし、高齢期になにか疾患と合わせて手術した場合どうなるか・・・

例えば子宮蓄膿症、小型犬で12歳だとしたら、たぶん10~20万かそれ以上になります。

前立腺肥大の小型犬14歳だったら・・・10万は下回らないと思います。

しかも、リスクが上がります。脅すような言い方になってしまいますが、事実です。

6.子供を作ることができなくなる

本来のデメリットとして言えるのはこれだけではないでしょうか。

この点に関してはよくご家族で話し合ってください。

ただ、妊娠出産は大変です。事前によく調べてくださいね。

7.かわいそう

これは心情は理解できます。

しかし、よく考えてください。動物は本能として生理的に発情というものがあります。

これは抑えられない生理的現象です。

その時に飼主として何が出来るかと言うと、我慢させるしかありません。

発情を我慢させる。それもまた、かわいそうかなぁ・・・と思ったりします。

こればっかりは個人の意見になりますので獣医師としてというよりは一個人としての意見となります。

次はメリットですね。

去勢・避妊手術のメリット

1.性ホルモン関連性疾患にかかる可能性が減る、もしくは無くせる。

2.発情による行動変化や体調の変化を防ぐことが出来る。

3.オス同士のテリトリー意識や対抗意識を抑えることが出来る。

4.性に関連する行動を防ぐことが出来る。

5.性格的に穏やかになることが多い

ひとつひとつお話していきますね。

1.性ホルモン関連性疾患にかかる可能性が減る、もしくは無くせる。

オスなら前立腺肥大、精巣腫瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、肛門周囲瘻などなど

メスなら子宮蓄膿症、子宮水腫、乳腺腫瘍などなど

これらの病気の共通点として、比較的発症が高齢になることが多いということです。

そして、時に命に関わります。

これらの病気を防げる、もしくは発生させなく出来るというのは非常に有益だと思います。

2.発情による行動変化や体調の変化を防ぐことが出来る。

発情期に起きる行動の変化、オスなら攻撃的になってしまったりメスを追い回したりいたるところに腰をこすりつけてたり、そういった行動が抑えられます。

メスは出血したり乳腺が腫れたり時には乳汁が出てしまったり、食欲が落ちたりそういった行動が防げます。

3.オス同士のテリトリー意識や対抗意識を抑えることが出来る。

喧嘩とかかけションなどオスだから起きる行動を防ぐことが出来ます。ただ、2割ぐらいは残っちゃうことがあります。

あとは、成長してから手術すると残る可能性が上がります。

猫さんのおしっこを布団や壁にピュピュっとされて、なんか臭い!! ってなるのを防げます。

ほんとつらいですよねあれ・・・いつまでも臭いし、洗ってもなんか臭うし、新しいの買うのは高いしクリーニングはもっと高いし・・・すいません愚痴りました。

4.性に関連する行動を防ぐことが出来る。

5.性格的に穏やかになることが多い

なんか似たようなことですね。結局発情みたいに体の調子が大きく変わるイベントが定期的に有ると、どうも精神的に不安定になるみたいですね。

それがなくなることで穏やかに暮らすことが出来るようになった結果かと思います。

長くなりましたが、いろいろな情報が飛び交っていると思いますが、その中には正しい情報も有れば間違った情報もあります。

情報の真偽をきちっと確かめて取捨選択しないと危険です。どんな情報でもそうですね。

ネットの情報はさも正しいように書かれていても完全な嘘であることも少なくありません。

このブログで書くことはそれなりの根拠を持って私が名前と顔を晒して発信しています。

しかし、世の中には悪意を持って嘘を言ったり、信じ込みすぎて視野狭窄になって誤った情報を発信している人もいます。

気をつけましょうね。

避妊手術や去勢手術も最終的に決めるのは飼い主様です。決して押し付けているわけではありません。

ペットのことを真剣に考えてもらう一つの機会にこのブログがなってくれれば幸いです。

文・監修/東 一平

アイエス動物病院・院長。自分自身が通いたくなる動物病院を目指す獣医師。自分自身のスキルアップや知識のアップデートに全力を尽くしている。

アイエス動物病院
アクセス/千葉県市川市妙典3-12-16 フクシン21
妙典駅(JR東西線)から徒歩4分
URL:https://www.is-ah.com

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