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子猫よりもさらに小さいマイナー妖怪「猪口暮露」

子猫よりもさらに小さいマイナー妖怪「猪口暮露」

妖怪というのはその体の形も千差万別だし、大きさだってそれぞれに異なるものだ。すねこすりという妖怪は子犬だか子猫みたいな姿をしているし、サイズもそのぐらいしかない。

しかし、ダイダラボッチという妖怪は、足跡が湖になるほど規格外の大きさを誇っている。

妖怪というのは非常にバリエーション豊かな個性の総称と考えてもいいのかもしれない。

それこそ、海外では神様だの悪魔だのと呼ばれて区別されている存在を、日本では丸ごとひっくるめて「まあ妖怪でしょ」と認識してきたわけだ。

日本人のそういうおおらかなところが、個人的には好きである。

今回紹介する妖怪、猪口暮露(チョクボロン)もまた、変な魅力を持った謎の存在だ。そして僕は以前、もしかするとこの妖怪を見たのかもしれない。

猪口暮露、かつて中国から伝えられた謎の妖怪

猪口暮露とはその名の通り、お猪口を逆さにして、それを頭からかぶった姿をした妖怪である。つまり、かなりミニマムな妖怪ということになる。

せいぜい体長も15センチぐらいなんじゃないだろうか。そして袈裟のようなものをまとっているため、傍目には虚無僧のようにも見えるという、なかなかクールなデザインの妖怪だ。

この妖怪の元ネタになったのは、かつて中国のある皇帝が病に臥せたとき、皇帝の夢の中に出てきた鍾馗様が退治した鬼であるという。その鬼を、なぜか日本ではお猪口を被った虚無僧と例えているというわけだ。

中国から皇帝の夢についての逸話が日本に伝わり、それをお猪口を被った小人のような妖怪の仕業であるというように色付けしたというので、やはり昔の日本人の感性っておおらかだ。

猪口暮露はいつ、日本に伝わったのか?

気になるのはこの妖怪がいつ、日本に伝わったのかという点である。中国から日本に伝来した物、文化は数多い。

現在、日本人の飼育しているペットでも一番頭数の多い猫もまた、日本に伝わる際には中国を経由したとされている。有名な説としては、今からおよそ1300年ほど前に中国からありがたい経典とともに船で入国したというものがある。

しかし最近になって日本には、もっと以前。それこそ2000年ほど前にはすでに猫がいた可能性も浮上した。2007年に出土したその時代の土器に、猫の足跡がついていたのだ。

これで真相がさっぱり分からなくなったというのが現状である。

最初に日本に入国した猫については調査の余地がまだまだあるということだろう。

猪口暮露の元ネタである夢の中の鬼については、そもそもその悪夢を見たのは唐時代の玄宗皇帝であるという説がかなり有力視されている。玄宗は西暦712年から何十年にも渡って皇位に就いていた人物である。

図らずも今から1300年ほど前の人物ということになるし、この数字はかつて日本に最初に猫が来たとされていた時期にも重なる。

たらればの話だが、もしかしたら猪口暮露の元ネタになる話は、いくつかの経典と何頭かの猫とともに日本に伝来していたのかもしれない。

まあでも、そんな都合のいい話もないか(汗)。

おわりに

ちなみに、小さいころに僕はやけに口が下になって置かれているお猪口を出先で見かけた記憶がある。その都度「また落ちてるなぁ」ぐらいにしか考えてなかったけど、もしかしたらアレって、猪口暮露が中に隠れていたのかも……。

文/松本ミゾレ

イラスト/今井美保

東京生まれ。少女マンガ誌でデビュー後いくつかの連載を経て、妖怪マガジン「怪」(角川書店)の「第一回怪大賞・京極夏彦賞」を受賞、妖怪漫画の道へ。イラストや漫画をほそぼそと描きながら暮らしている。

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