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家族の不幸で飼育放棄されて。人を信じ抜いた猫レンくんの生涯

家族の不幸で飼育放棄されて…人を信じ抜いた猫レンくんの生涯

「初めてレンを見た時、正直、片目がないことを気持ち悪いと思った。酷いですよね…。でも、一緒に暮らすうちに愛おしい存在になりました。見た目など関係なく、どんな命も平等だということをレンは教えてくれた。」

レンくん001

打ち明けづらい心境をあえて告白してくれた胡蝶さん(@50yakuiQYEtNMPn)は、16歳で亡くなったシャムMIXのレンくんとの日々を、そう語ります。

家族の不幸で飼育放棄されて…

もともと別の家で息子さんに拾われ、家族の一員になっていたレンくん。しかし、その息子さんが交通事故を起こしてしまったことで、ニャン生は悲しいものになっていきます。

事故を苦に、父親は首を吊って自殺。母親はうつ病となり、施設へ。息子さん自身もうつ気味になり、家はゴミ屋敷のような状態に。レンくんは近所に住む猫飼いさんからご飯を貰って生きるようになりました。

しかし、車に乗ったり庭を荒らしたりしていたため、ご近所さんからはよく思われていなかったそう。「飼育放棄される前から放し飼いされていたレンは以前、交通事故に遭い、顔の半分が崩壊して目玉が飛び出た状態で家に帰ってきたことがあったそうです。その時はお父さんが病院へ連れていき、手術してもらいましたが、事故の影響で脳に障害が残って片目を失ったと聞きました。」

レンくん002

胡蝶さんが関わるようになったのは、レンくんが4歳になった頃。その地に引っ越してきた胡蝶さんは玄関に段ボールハウスを置いてご飯をあげ、お世話をするように。飼い主だった息子さんと話し、レンくんを家族にしました。

障害を持つ猫と暮らすことへの葛藤

しかし、当初は片目を失った猫と暮らすことに葛藤があったそう。

レンくん003

「動物病院で片目がないことを周囲から色々言われたこともあって、片目がないレンを人に見られたくない、恥ずかしいという気持ちがありました。」

その心境が変わったのは、今のご主人がレンくんにかけた言葉が胸に響いたから。「片目がないのは独眼竜みたいでかっこいいし、こんな人懐っこい猫はいない。かわいいなあ。」優しい気持ちが伝わったのかレンくんはその時、初対面のご主人に全力で甘えたそう。

その光景を見た胡蝶さんは自分がただ、片目で可哀想という同情心でレンくんに接していたことや、動物病院でコソコソとしていたことを悔い、恥じました。「放し飼いされていたためレンは外に出たがるので獣医師さんと相談し、リードを付けて散歩をしていたのですが、今までは人目につかない夜にしていた。でも、心境が変わってからは堂々と散歩や病院に行くようになりました。東日本大震災の時も、他人になんと言われても片目はこの子の個性だと思い、避難所に連れて行きましたね。」

大親友と出会い、天国へ

一方、胡蝶さんの葛藤を知ってか知らずか、レンくんはおうちでインコのボチコちゃんと種族を超えた友情を築いていたよう。「生クリームが大好きで私が目を離した隙にボチコとタッグを組み、クリスマスケーキを襲撃したことも。クリームだらけになったふたりを洗うのが大変でした(笑)」

ボチコちゃんが雛の頃から共に暮らし始めたふたりは、心友。レンくんはボチコちゃんを背中に乗せて歩き、ボチコちゃんはレンくんを毛づくろいし、互いに愛情を伝え合いました。

レンくん004

ところが、微笑ましい日常に病魔が忍び寄ります。6歳になった頃、レンくんは猫エイズを発症。「もともとレンは酷い便秘だったので毎週病院で浣腸をしてもらったり下剤を処方してもらったりしていました。体調も崩しやすく、病気が分かったのも体調不良で病院に行った時のこと。」

検査結果が出るまで胡蝶さんは待合室でレン君を抱きしめ、陰性であることを祈りましたが、願いは通じませんでした。「病気が分かってからは月に1回、インターフェロンの注射。残った目を温存するための2種類の目薬や便秘用の病院食も出してもらっていました。」

それから10年後のある日、3回もの入院を乗り越えたレンくんは午前10時14分に大好きなお布団の中で静かに息を引き取りました。「12年間一緒にいてくれたことには感謝しかない。私のほうがたくさん愛してもらった。」その後、仲良しだったボチコちゃんも後を追うように亡くなったそう。

レンくん005

「天国にはレンが大好きだった元飼い主のお父さんもいるから、いっぱい甘えてほしいし、ボチコとも仲良くしてほしい。そして、たまに私のことも思い出してくれたら嬉しい。」

レンを迎えるまで猫と接する機会は、ほとんどなかった―。そう語り、共に過ごした日々の濃さを振り返る胡蝶さんは言葉では表せない”大切なこと”をレンくんから教わったよう。辛い状況に置かれても人間を愛し、自分らしく生きた心優しいレンくん。その生涯は私たちに”誰かを信じることの尊さ”を訴えかけています。

取材協力:胡蝶さん(@50yakuiQYEtNMPn)

https://twitter.com/50yakuiQYEtNMPn

文/古川諭香

 

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