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きょうだい猫をBB弾で殺されて。幸子と過ごした5883日

きょうだい猫をBB弾で殺されて。幸子と過ごした5883日

あの日、救えなかったきょうだい猫の分も思いっきり幸せになってほしい…。そんな思いから名づけられた名前を背負い、16年の生涯を全うした幸子ちゃんはayuさん(@roudokuya_ayu)にとって、今でもかけがえのない存在。

幸子ちゃん001

2人が出会ったのは、1992年のこと。ある日、ayuさんのお母さんが愛犬の散歩をしていると、公園の駐車場に散歩にきた女性数人と4匹の子猫がいるのを発見。大型犬を連れていたことや人がいたこともあり、その時はすぐにその場を去りました。

しかし、帰宅したお母さんから子猫の話を聞いたayuさんは気になり、お昼に親子で子猫の様子を見に行くことに。そこには元気な3匹の子猫と、他の子たちよりひとまわり小さく、プルプル震えている1匹の黒猫がいました。

「黒猫は目やにで目がぐちゃぐちゃ。鼻水も酷くて。この子だけ死んでしまいそうだと思ったので、母に『治療して助けてあげたい』と頼みました。」ayuさんの頼みでお母さんは、保護を決意。自宅に連れて帰り、命が紡がれるように親子でお世話をしました。

そうしていると気になるのが、他のきょうだいたち。やっぱりみんな保護しよう。そう思ったayuさんは母と相談し夜、弟さんと一緒に猫たちの様子を見に行くことに。しかし、そこで目にしたのは信じられない光景。昼間、子猫たちがいた駐車場の植え込みの中を懐中電灯で照らすと、あたりには飛び散っている柔らかい被毛やBB弾が…。近くには大きな石もあり、嫌な地獄絵図が頭に浮かびました。

「嫌な予感は現実のものとなりました。不自然な盛り土があるのを弟が発見して、掘ってみると頭蓋骨が割られ、耳や手足が正常な位置にない子猫たちの遺体がありました。それを見て、私は悲鳴に近い声で泣きました。」

それを見た弟さんは植え込みの近くを深く掘り、誰も掘り返せない場所に子猫たちを埋葬したのだそう。もう二度とひどい目にあわないように。そして、せめて安らかな眠りにつけるようにとの願いを込めて。

「なんであの時、みんな保護しなかったのかとすごく後悔した。かわいくて元気な子たちだから他の誰かに拾ってもらえるって、なんで思ってしまったのかって。だから、きょうだい猫の分も幸せになってほしくて、保護した黒猫には”幸子”という名前をつけました。」

猫嫌いの祖父も猫好きに

2時間置きにミルクを飲ませたり、排泄を教えたりと、それ以降ayuさんは生後1ヶ月ほどの幸子ちゃんのお世話をし、惜しみない愛情を注ぎ続けました。

幸子ちゃん002

「幸子は穏やかで甘えん坊。後から我が家にやってきた子猫たちのお母さんにもなってくれたし、自分が産んだ子猫のことも最期までかわいがっていました。」

幸子ちゃん003

また、幸子ちゃんの愛くるしい性格は、猫嫌いだったおじいさんを猫好きにも変えたよう。「祖父は、母もびっくりするほどの猫好きになりました。幸子も祖父のことが好きだったようで、子猫を出産した時は祖父のところへ見せに持って行っていました。」2人の絆はおじいさんが亡くなるまで続いたよう。「祖父が亡くなった時、幸子は遺体から離れなかった。引き離すまで、傍に置いてあったドライアイスの上に乗り、1番近くにいようとしていました。」

人にも猫にも優しかった、幸子ちゃん。その体に異変が表れ始めたのは、13歳になった頃のこと。同じ場所を歩くようになったり、夜泣きをしたりするようになったためayuさんは動物病院で検査を行うことに。しかし、検査結果に異常は見られず、以後、半年に1回、血液検査を行い続けましたが、至って健康体との診断が下されていたそう。

しかし、それから3年後の2008年のクリスマスに、幸子ちゃんはayuさんの腕の中で静かに息を引き取りました。「当時、私は舞台に出ていました。できる限り幸子との時間を作りながらも多忙な生活を送っていたんです。幸子が旅立ったのは、偶然にも休演日だった。家族が仕事だったので私ひとりで見送りました。心臓の音が聞こえなくなるまで、ずっとずっと名前を呼び続けました。」

悲惨な死が保護活動の原点に

幸子ちゃんのきょうだい猫を救えなかった後悔。それはayuさんの心からずっと消えることがありません。あんな思いをする子が、もう二度と現れてほしくない。そう願ってやまないからこそ、ayuさんは現在、家族ぐるみで保護活動を行い、保護猫(しっぽ家族)と共に暮らしています。

https://twitter.com/roudokuya_ayu/status/1120787330791428096?s=20

「私からしてみると、自分たちがしているのは保護活動なんてすばらしいものではなく、とにかく助けたい気持ちで行動しているだけにすぎません。保護場所は近隣の猫や幸子と出会った公園の近くの駐車場だけにしています。無理はしない。それが1番大切なことだと思っています。」

公園にはNPO法人のお世話を受けながら、地域猫として暮らしている猫たちがいるそう。ayuさんのお母さんは必要に応じて、地域猫たちに栄養補強や投薬を行い、地域猫活動をサポートしています。「母や父、叔母は夜中の2時近くに毎晩、猫たちの様子を見に行きます。私と主人は母たちが留守の時の夜間ピンチヒッター。捕獲や補液点滴、投薬、介護は私と妹の担当です。」

ボス猫が追いやられて死なないよう、その前に保護し、介護して看取る。病気がひどくなった子を保護し、介護して看取る。出産したら、保護して育てる…。そんな風に、命の始まりや終わりに立ち会い続けているayuさんは猫はみな、家族だと語ります。「しっぽがついていて、ちょっと言葉が人間と違う家族。心は通じます。」

この世の地獄ともいえるような惨劇を目の当たりにし、自分にできることを考えたayuさん。その行動力を知ると、自分にできる小さな命の守り方にも思いを馳せたくなります。

https://twitter.com/roudokuya_ayu/status/1191925361786798081?s=20

命を奪う人間に怯えず、動物たちが安心して暮らせる社会。それを築けるかどうかは、私たち次第。人間を無条件で愛してくれる小さな命たちがこれ以上、身勝手な暴力で傷つけられないよう、動物と共生できる社会の在り方を模索していきたくなりますね。

取材協力:ayuさん(@roudokuya_ayu)

https://twitter.com/roudokuya_ayu

文=古川諭香

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