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猫が遊ぶための玩具みたいな妖怪ちぢこ

妖怪ちぢこ、その正体は猫が好きそうなお手製の鈴付きおもちゃ

日本の妖怪伝承ってのはたまに「それ妖怪か?」って思いたくなる、ちょっと変な話も多く残っている。
夜、誰もいないはずの空き家の前を歩いていると突然「うわん!」という声を出しておどかす中年男性のような妖怪、うわん。

これなんてもうほぼ確実に、昔そういうちょっとおかしなおっさんが居たっていうだけの話なんだろうけど、まあそういうのも妖怪にひっくるめてしまうのが日本のおおらかなところ。

祟りをもたらす存在も神様として扱って鎮めるようなお国柄なので、些細なことに拘ってはいけないってことだろう。

しかし中には、フェイクであることが分かっているのに、未だに妖怪として認知されているものもある。

それが今回紹介する“ちぢこ(千々古)”だ。

妖怪ちぢこ、その正体はハンドメイドのお騒がせ妖怪!

妖怪ちぢこ

ちぢこは1732年に編纂された、太平百物語に記述のある妖怪。
結構古い時代から知られているものだ。

その姿はまるで鞠。これはひとりでに飛んだり跳ねたり、不規則に動き回るのだ。

しかも動くたびに鈴の音もするというので、まるで猫が遊ぶために市販されているようなおもちゃみたいな妖怪である。

悪さという悪さもせず、ただ不規則に飛び跳ねたり、転がったりするだけ。

その都度鈴の音が鳴るという。
これが本当に妖怪か? って話なんだけど、当然本物の妖怪ではない。

実はちぢこは悪戯好きな何某かという男の作った偽の妖怪なのだ。

人を脅かす目的で出没していた、ちぢこ使い…

太平百物語に登場するちぢこの話の概要はこうだ。

或るお殿様の治めていた町では夜ごと、ちぢこという妖怪が出るとの噂が出た。

あまりに恐ろしいので、人々は日暮れ以降は外に出ることも控えるようになったというが、それを聞いた若い侍は「ではその妖怪を征伐しよう」と単身立ったという。

果たして侍は、ちぢこが出るというあたりを観察していると、本当に噂通りの鈴の音を鳴らす鞠の妖怪が現れた。

ちぢこはこのときも右往左往し、飛んで跳ねての大騒ぎだったが、侍は意を決して刀を振るい、ちぢこを一閃。

この大戦果に人々もたまらず、提灯を持って駆け寄ると……そこにあったのはただの鞠。鈴の入った普通の鞠であった。

よく見ると鞠からは糸が伸びており、物陰まで続いていた。

人々はこれでようやく合点がいった。

どこかの悪戯好きな奴が、糸に括り付けた鞠を操って、道行く人々を驚かせていたのだ。

いつの時代にも、人騒がせな困ったちゃんは居るなぁ。

おわりに

音の出る鞠、それを糸で操る。
これってまさに、猫の飛びつきそうなおもちゃそのものである。

鞠も鈴も糸も、今では安価で手に入る。

もしも興味がお有りなら、飼い猫を楽しませるために、お手製のちぢこを拵えてみるというのも悪くないだろう。そう、令和のちぢこ使いになれるってわけだ。

文/松本ミゾレ

イラスト/今井美保

東京生まれ。少女マンガ誌でデビュー後いくつかの連載を経て、妖怪マガジン「怪」(角川書店)の「第一回怪大賞・京極夏彦賞」を受賞、妖怪漫画の道へ。イラストや漫画をほそぼそと描きながら暮らしている。

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