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亡くなった夫の仏壇の水がこっそり減っていた理由

亡くなった夫の仏壇の水がこっそり減っていた理由

高史へ

母の日のカーネーションをありがとう。みどりさんへ、よろしく伝えてください。あなたがこんなことに気が回るとは思えないので、お嫁さんのみどりちゃんのおかげでしょう。しっかりお礼を伝えてください。

お父さんが亡くなって一人暮らしが心配になったからといって、いきなりカーネーションとか、季節の果物とかいろいろ送ってくるようになって、ありがたいけれど、無理はしないように。私ひとりでは、食べる量もしれていますから。

いろいろ心配なのはよくわかるけれど、ひとりでも案外、寂しくないから安心してください。ニャン吉と楽しくしています。今もお母さんの足元でチョイチョイ悪戯していますよ。

この前の電話では仏壇にお供えするロウソクや線香で火事になるからやめろと大騒ぎしていましたが、ヘルパーさんと相談してスイッチで光が付く電気のやつにしたので、ご安心ください。お線香はニャン吉が嫌いなので、使っていません。

仏壇といえば、朝、仏壇にコップの水をいれておくのですが、次の日にずいぶん減っていて、最初はお父さんが飲んでいるのだと思ったのですが、ニャン吉でした。

こんなことを書くと、「お母さん、ボケたんじゃないの」という電話がかかってきそうですが、私はまだまだ、ボケていませんよ。お父さんが飲んだと思ったのは、コップの水がきれいに減っていたからです。ニャン吉は水を飲む時、あたりに水をいっぱい飛ばすのに、お仏壇の水はこぼさずきれいに飲んでいたのです。

それに、コップの水が毎日同じ量だけ減るのも、お父さんだと思った理由のひとつでした。猫が一回に飲む水の量はいつも同じなのですね。小さな舌で静かに水を飲む姿の、可愛らしいこと!

ニャン吉はお父さんが拾って世話をしていた子だから、お父さんが大好きだった。亡くなってしばらくは、あちこち探していたのが不憫でした。でも、四十九日を境に、いっさい探さなくなった。その代わり、お父さんのコップの水をそっとこぼさず飲むようになったのです。

仏壇のコップは、お父さんが寝たきりになって亡くなる直前、枕元に水を入れて置いたものです。その頃はもう、一人で水を飲むことはできなくなっていましたが、目が覚めて飲むことがあればいいな、と願っていたのを思い出します。

今、ニャン吉が仏壇の飲んでくれていると、なんだかお父さんがあっちの世界で、いっしょに水を飲んでいる気がします。お酒が好きなお父さんが、水をくれって言って、差し出した一杯の水。なつかしいわ。

カーネーションはたっぷり水を入れた鉢に飾りました。私への贈り物はもうやめて、みどりちゃんに服でもバッグでもプレゼントして差し上げなさいな。高史は何でもみどりちゃんに従っていれば大丈夫だから、ちゃんと言うことを聞いて、ケンカしないようにね。

こちらは不自由なくやっているから心配しないでください。あなた達には心配かけますが、ニャン吉が虹の橋を渡る日まで、ひとり暮らしを楽しみます。お盆には無理して帰って来なくて良いので、みどりちゃんによろしく。母の日のカーネーションを、ありがとうございました。

母より

 

文/柿川鮎子
明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。

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