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「おいてけ~」声はするが姿は見えない謎の猫。

異形の猫

僕は毎週1本ずつぐらい、ちょっとオカルトの入った妙なコラムの執筆を許してもらっている。

その都度妖怪についてのうんちくを無駄に織り交ぜて犬猫の話として提示しているんだけど、そういう意味では今回の話は、ちょっと僕にも判然のつかない妙なもの。

具体的に「こういう変な猫を見た」とか、そういう話ではない。

しかし個人的には印象深い体験談なので、ぜひみなさん、お暇なら読んでいっていただきたい。

ご馳走を持った家族に話しかける、猫の呼び声…?

おいてけ猫【異形の猫】

以前交友関係にあった男性が「うちの庭に猫みたいなものがいて、食べ物を持っていると鳴き声で呼びかけてくる時期があった」と話していた。

この男性とは本当に些細な事でけんか別れをしてしまい、現在は絶縁状態にある。

が、人間性はさておき彼が披露する話は面白かったので、何年か前はしょっちゅう一緒に飲んでいた。

彼の実家は四国にあり、実家は結構立派な造りで部屋数も多かったと自慢されたことがある。問題はその実家に、変なものが住み着いていたことだ。

彼が小学生ぐらいのころからふと、庭先で猫の鳴き声がするようになった。これがその変なものとの出会いのきっかけだった。

声は聞こえる日と聞こえない日があったが、あるときふと彼は気づいた。

「俺が食べ物を持っているとき、必ず庭の前を通ると猫が鳴く」と。

特におつかい帰りに魚を持ち帰ると、猫の声は必ずと言っていいほど激しく聞こえてきたそうだ。

しかし声の出所をいくら探しても、不思議と猫の姿はない。

一度だけ、たまたま庭先に野良猫が入り込んでいたが、その野良猫の鳴き声はいつも聞こえるそれとはまったく異なったので「こいつじゃない」と分かったそうだ。

また、猫の声を聞いたことがあるのは彼だけでなく、彼の両親や祖父、それから兄も耳にしていた。

そして、手元に食べ物がある場合に限ってその鳴き声は聞こえていたという。

結局この猫はいつもいつも鳴き声ばかりで一度も姿を見せなかったそうだ。

この話をした彼曰く、「10年ぐらいは食べ物を持った家族に声をかけていた」ということなので、今はもういないということなのだろう。

その家に、猫が暮らした歴史なし!

ちなみに彼の実家には猫はおろか、これまで一切ペットを迎え入れた時期はないという。

だからこそ猫の声だけがすることに対して、余計に不可解な気持ちを抱いてしまわないこともない。

いい機会なので、僕はこの話と、ある妖怪を紐づけて強引に一緒くたにしてみようかと思う。

その妖怪というのが置行堀(おいてけぼり)。今回このコラムのイラストの元ネタとなった怪異だ。

落語にもなっているほどメジャーな怪異で、古くは東京都墨田区に伝わる怪談の一つだったという話もある。

置行堀は江戸時代に今の錦糸町あたりで魚釣りをしている町民がよく遭遇したという。

魚を釣って満足し、帰ろうとするとどこからか「おいてけ」と声がする。

慌てて魚を魚籠に入れて逃げ帰るも、我が家に到着するころには1尾の魚も残っていない……というようなお話だ。

前述の話でも、猫の鳴き声は魚にいたく反応をしていたと触れている。
もしかすると、その鳴き声とは置行堀の猫バージョンみたいなものだったのかもしれない。

おわりに

ちなみに、この話をしてくれた男性の実家では、件の鳴き声のことなどほとんど誰からも相手にされなかったそうだ。

いくら家族に「鳴き声がするけど猫がいない」と言っても「そういうこともあるでしょ」とか「神経質な野良猫じゃない?」とまともに取り合ってすらもらえなかったという。

元々ペットに縁が遠い一家だったとしたら、確かにそういう冷淡な反応にはなってしまうのかも……。

文/松本ミゾレ

イラスト/今井美保

東京生まれ。少女マンガ誌でデビュー後いくつかの連載を経て、妖怪マガジン「怪」(角川書店)の「第一回怪大賞・京極夏彦賞」を受賞、妖怪漫画の道へ。イラストや漫画をほそぼそと描きながら暮らしている。

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