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「飼い主の万が一」は、猫の死活問題!1日缶コーヒー1杯分の費用で備えられる「ねこのゆめ」とは?

「飼い主の万が一」は、猫の死活問題! 備え、していますか?

子供無しのシニア夫婦のわが家では、もし自分たちに何かあった時、一番心配なのは残された愛猫のこと。今から備えて、愛猫の命とその後の生活を守れる方法はないものかと、いろいろと模索しています。


わが家の愛猫・ドーラ。

先日取材させてもらったのが、猫の一生分の飼育費用を託すことで、飼い主が亡くなったり、世話ができなくなったりした場合に里親を見つけ、里親に飼育費用を払うことで最後まで面倒を見てもらう「わんにゃお信託」。

※関連記事「自分に代わって最後までペットの面倒を見てくれる「信託システム」って、いくらかかるの?

上記の信託を運営しているのは大阪のNPO法人「ペットライフネット」ですが、東京近郊で探して見つけたのが、保護猫のためのさまざまな活動をしているNPO法人「東京キャットガーディアン」の積み立て企画「ねこのゆめ」でした。

毎月3800円(税別)の積み立て×6年、1日缶コーヒー1杯分の費用

内容を調べてみると、かかる費用は、「わんにゃお信託」よりもかなり低め。「わんにゃお信託」に現在5歳のわが家の愛猫を託す場合、平均寿命16才までの11年分の生涯飼育費用410万円ほどを預ける必要がありますが、「ねこのゆめ」の場合、1頭につき毎月3,800円ずつ6年間、合計27万3,600円(税別)を積み立てていくシステム。もし満期になる前に猫を託す必要が生じたら、残りを一括で払えばすぐに対応してもらえます。

月3800円なら1日120円前後。缶コーヒー1杯分の金額。「それならできそう」という人は多いのでは? しかもあくまでも預かり金なので、猫が先に亡くなったり、ほかに信頼できる預け先が見つかったりした時は解約し、(数千円の手数料を除き)全額、払い戻してもらえるのです。

でもいったい、なぜこうした手ごろな価格で運営できているのでしょうか。同団体が運営している保護猫カフェを訪ね、代表の山本葉子さんにお話をうかがいました。


広いシェルターでのびのびと気ままに過ごす保護猫たちと、代表の山本葉子さん。

 新しい里親への「再譲渡」が目的だから、費用を抑えられる

山本さんによると、「ねこのゆめ」が費用を抑えられるのは、事業としてのカテゴリーがあくまでも“里親への再譲渡”だからだそうです。

「東京キャットガーディアンは2008年の団体設立から2019年12月までに、合計7000頭以上の保護猫を、里親に譲渡しています。『ねこのゆめ』は、その保護猫譲渡事業の一部であり、飼い主を失った猫の“終(つい)の棲家(すみか)”を探すための事業。ですから依頼者さんからお預かりするのは、『受け入れ時のケア費用』と『再譲渡までの短期間の飼育費用』のみなんです」(山本さん)。

猫が何歳でも、どのような健康状態・メンタルの状態でも、費用負担に同意であればこのシステムは利用できるとのこと。

「必要な時に利用可能な金額にしたいと思って開始した『ねこのゆめ』ですが、それでも全ての飼い主さんが費用を捻出できるとは限りません。急な入院や転居など、経済的にも厳しい時期に猫の新たな行き場を探すことになるケースが多いからです。でも、逆に言えばそれ以外のケースを救うことができるのですから、やる価値はあると考えて踏み切ることにしました」(東京キャットガーディア山本さん)。

さらに、引き受け時に健康等に問題がなく、譲渡の見込みの高い(早い)3歳以下の猫であれば163,000円(税別)で引き受けをしているそうです。

里親がずっと見つからなかったら?

里親さんが比較的早く見つかるか子もいれば、長くシェルターで過ごす猫も少数ですがいるそうです。どうしても譲渡がかなわなかった猫は、同団体のシェルターで責任をもって飼育を続け、末期医療まで行うとのこと。

HPでそのシステムを知った時は

「それなら安心だけど、でも一生、シェルター暮らしというのもちょっとかわいそうだな…」
と思ったのですが、同団体が運営しているシェルターのひとつで、保護猫カフェとしても営業している開放型の「大塚スカイシェルター」を実際に見て、そのイメージは一変しました!

ビルの最上階で天窓からも日差しがたっぷり入り、広々としていて、とても居心地のいい空間!

スタッフ手作りのキャットウォークがいたるところにあり、猫たちは自分のお気に入りの場所でリラックスして過ごしていました。まさに、猫にとって天国のような場所…。「狭いわが家よりも居心地がいいのでは?」とちらりと思ってしまいました(まあ、どんな狭い家でも、飼い主のいる家が一番だと思いますが)。

「誰もが手が届くサービスでなければ、普及しないと考えました」(山本さん)

「ペットフードの質の向上で猫も寿命が延び、人間と同じような病気を抱えたり、長く闘病生活をしなければならないケースも多くなっています。末期医療には月、数十万円もの医療費が発生する場合や、つきっきりの介護が必要な場合もあります。そうした医療費や人件費すべてを負担していくのが受け入れの条件となると、大変高額になり、利用できる人はごく限られてしまいます。でも新しい飼い主を見つけるお手伝いであれば、費用的に多くの方に手の届く現実的なサービスとして運営していくことも出来ると考えました」(山本さん)。

「ねこのゆめ」の加入者はシニアだけでなく、若い飼い主ファミリーも増えてきているそうです。「前もって備えておくという考えは、保険に近いシステムかもしれません。実際に今すぐは必要としない大多数の人が、大きな負担を抱えることになる少数の人を支えているのです」(山本さん)

開放型の大型シェルターだから、成猫でも里親が見つかりやすい

飼い主の事情で飼育ができなくなった猫の多くは、成猫。通常の保護猫の譲渡会では、圧倒的に子猫に人気が集まって成猫は選ばれにくいのですが、開放型のシェルターでは成猫や、ハンディを持つ猫でも比較的、里親が見つかりやすいそうです。

広いので、自由きままに過ごしている普段の姿を見ることができますし、何度も通ううちにその猫の性格などがわかるため、いっしょに暮らすイメージがつかみやすいのがその理由だとか。多少ハンディがある猫でもどんな風に行動し生活しているのかを見ることができて、何度も通って性格が気に入り、引き取っていく人も多いそうです。

東京キャットガーディアンでは現在、保護猫カフェ1カ所・予約制で公開のシェルター3箇所の合計4スペースで300頭以上の猫たちを保護しています。ここから里親に譲渡されていく猫は、1か月で平均50~60頭以上。たくさんの若いスタッフがお世話をしていて、同じビルの1階には行政や民間から引き受けた猫たちが最初に入るシェルターや、同団体直営の動物病院も…。あれやこれやで、シェルターの運営には月額800万円以上かかるそうです。

山本さんには、「猫を助ける仕事」(共著・光文社文庫)という著書もあり、「保護猫活動はビジネスとして確立させなければ継続できない」という強い信念を抱いています。

「多くの個人やボランティア団体の努力でTNR(外猫を捕獲し避妊手術をして戻すこと)が広まっていますので、外猫はいずれいなくなるかもしれません。そうなって欲しいです。でも、完全室内飼育が徹底されても、なんらかの事情で飼えなくなる人は一定数出ます。高齢者と暮らしていて取り残されてしまう猫もこれからさらに増えていくことでしょう。私達は、10年、20年後もこの活動を継続させるために、保護猫の保護・譲渡活動をビジネスとして成立させなければいけないと考えています」(山本さん)。

いったいこうした大型シェルターの運営を、どのように継続させているのか。なぜこんなにも譲渡数が多いのか。その興味深い戦略もお聞きしたので、別の機会にまた紹介したいと思います!

東京キャットガーディアンでは、「猫と人の終活勉強会」を毎月開催しており、その中で「ねこのゆめ~成猫のお引き取りと再譲渡事業~」の説明もしているとのこと。参加費用は1人2,000円で、全額がシェルターへの寄付になります。


契約者に送られる「ねこのゆめカード」。携帯することで、例えば外出中に事故にあったりした時でも、家に猫がいて行き先があることを表明できます。

取材・文/桑原恵美子
取材協力/東京キャットガーディアン

関連サイト/ねこのゆめ
猫と人の終活勉強会

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