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大規模なペストの流行。原因であるネズミを捕獲する天才はもういなかった

大規模なペストの流行。原因であるネズミを捕獲する天才はもういなかった

人にとっては欠かせない相棒である猫。

紀元前の時代から、エジプト地方で神聖な動物と目されていた彼らは、そんな大昔から半ば当然のように人々に大切にされてきた。

一方で猫たちはしばしば、人間の都合の犠牲になってもいる。

現代において、身勝手な人々が手放したり、適正な飼育をしないために屋外に逸走して際限なく増え続け、そのせいで環境にも悪影響をあたえているのはよく知られるところ。

しかしこれは別に猫のせいではない。人間の管理不足が招いた、人災である。

こういうことは歴史の端々で起きてきた。

かの古代エジプト帝国滅亡の一助となったのは、ペルシア侵略軍による猫を用いた人質作戦だったことは歴史好きにとっては常識。そしてもう一つ、人間の都合の犠牲になる猫が多かったのが、中世の魔女狩りだ。

魔女狩りで魔女、悪魔認定された猫たち…

12世紀頃から500年近くに渡って、ヨーロッパで発生した大規模な魔女狩り騒動。今となっては異常な集団ヒステリーの一種だと認知されることも多いが、一部の研究家によると、当地においてキリスト教の布教が遅々として進まなかったことが遠因でもあるという。

どういうことか。

この原因になっていたのが、フレイア神という土着神信仰だったというのだ。そしてこの神の使いに猫がおり、そういう経緯もあって猫を大事に扱う地域もあったのである。

ご存知のようにこの時代のキリスト教社会はむちゃくちゃなことをやるので、土着神信仰のせいで自分たちの宗派の布教が進まないことには苛立ちを募らせる。

その反動で、教会側は自分たち以外の信仰をよしとせず、それどころかそうした人々を魔女と認定するようになったと言われているのだ。

そうしてフレイア神を信仰していた人々は魔女扱いされ、猫もその魔女が変身した姿であるとか、あるいは使い魔だと認識されるようになり、ここに大虐殺が始まった。

一度異端者と認定されれば大抵は助からない。民衆は慌てて信教を鞍替えしたとされる。

魔女と書かれていても、そこに男女の垣根もなかった場合もあり、誰もが必死で魔女認定から逃れようとする。

そのために、自分が助かりたいがためだけに隣人が魔女であると密告する民衆もあった。

かたくなに土着神を信仰する人や、学のない高齢者などは魔女扱いされ、中には猫を飼っているだけで、飼っている猫ごと処刑されたケースも。

こうしてわずか数百年のうちに、ヨーロッパでは猫という猫が激減したのであった。

だがこの愚行は、のちのち人間に対して大きなしっぺ返しを食らわせることになる。

大規模なペストの流行。原因であるネズミを捕獲する天才は、もういなかった

史実によると14世紀頃に世界的なペストの大流行が起きたと記されている。

アジア圏で生じたものであったとされるが、これがヨーロッパにも拡散し、瞬く間に蔓延。最終的には当時の人口の3割。

ヨーロッパにおいても人口のおよそ3割以上の死者を出した。

この病の蔓延を後押ししたのが、媒介者であるネズミたちだった。

当時のヨーロッパの人々に対してことのほか猛威を振るったペストを蔓延させまくるネズミ。何故これほどまでの被害が起きたのか。

理由として考えられるのが、人里に入り込むネズミを適時捕らえる捕食者の激減。つまり猫の激減であった。

日本に猫が持ち込まれた理由の一つに、交易船の中の書物をネズミの食害から守るためだったという説がある。

猫は大昔から、ネズミにとっては天敵だったのだ。

その猫がもうほとんどいない。

ネズミの繁殖はまさに歯止めが効かなくなり、ヨーロッパ全土に死を運んでしまったというわけだ。

これは猫の呪いが云々、という話ではもちろんない。

人間の都合で猫を激減させたため、結果的に人間がその割を食ってしまい、自らの命で贖うこととなったという話なのである。

おわりに

猫という動物は本来、愛玩用に誕生した。

しかしその習性と好奇心によって、かつてはネズミに対して有効なプレデターとしても大活躍をしていたのは事実。

14世紀当時の人々がそのことを客観的に把握できていなかったことは決してないと思うが、それでも宗教が絡むと、人はいつだって同じような過ちを繰り返すようだ。

もっとも、家畜用に生み出された今の猫たち、つまりイエネコの原産地は紀元前3000年頃の古代エジプトであるので、元々魔女狩りが起きていた地域の猫は輸入された個体の子孫だ。

つまり外来種。元からヨーロッパにいたわけではないので、もしイエネコという品種を人が作り出していなければ、どのみちヨーロッパはペストに見舞われていたということになる。

奇しくもヨーロッパで土着信仰絡みであるとか、そもそも可愛い存在であるために大切にされてきた外来動物の猫。

その猫に対して魔女裁判という歴史的ヒステリーの魔の手さえかからなければ、かの地で大規模な病の蔓延は防げたし、もっと死者数だって抑えられたというのは皮肉な話だ。

文/松本ミゾレ

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