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今更だけど、青年と猫の絆を描いた『旅猫リポート』を読んでみた。

今更だけど、青年と猫の絆を描いた『旅猫リポート』を読んでみた。

有川浩さんは、人の心に熱い気持ちを呼び起させるストーリーを多数生み出し続けている人気小説家。『図書館戦争』(メディアワークス)や『植物図鑑』(幻冬舎)など、実写映画化となった作品も多い。その中でも、特に筆者の心に焼き付いているのが、ひとりの青年と1匹の猫との絆を描いた『旅猫リポート』(文藝春秋)だ。

本作は2018年10月に、人気俳優の福士蒼汰さん主演で実写映画化。もうひとりの主人公である猫・ナナの声を高畑充希さんが務めたことでも話題に。日本国内だけでなく、海外でも愛され続けている原作の温かさを、2人は映画の中で見事に表現していた。

ひとりの青年が愛猫を託すため、旅に

誇り高き野良猫だったナナは、交通事故で右足を折って以来、自分を助けてくれた宮脇悟(サトル)の家で暮らすようになった。「ナナ」という名前の由来は、尻尾が数字の「7」の形に曲がっていたためだ。5年以上、サトルの相棒として暮らしてきたナナは、人の言葉も理解できる賢い猫。

一方、飼い主のサトルは、ナナには言えない悩みを抱えていた。やむを得ない事情により、ナナを手放さなければならなくなったのだ。自分と暮らせなくてもナナには幸せに生きていてもらいたいとサトルは考え、学生時代の同級生のもとを尋ねながら、ナナの新しい家を見つけようと奮闘。ナナの家探しを通し、サトルはこれまで自分が歩んできた人生を改めて見返すこととなる――。

勘のいい読者はこうしたあらすじを見ると、結末が予想できると思うかもしれない。だが、本作にはその予想をはるかに超える感動がある。

サトルにとってナナはペットという存在ではなく、大切な家族。動物と暮らしている方はおそらくサトルと同じような愛情を抱えながら日々、“小さな家族”に接していることだろう。だからこそ、サトルがナナを想う気持ちに共感でき、胸が熱くなるのだ。

そして、作中からはナナがサトルへ抱く愛情も伝わってきて、読者はより大きな感動を噛みしめることとなる。動物は言葉が話せないので、時として私たちは「意思疎通が難しい…」と感じることもあるように思う。「どうしてイタズラばかりするんだろう」「なぜ、言うことを聞いてくれないんだろうか」――そんな風に思い悩み、動物と距離をとりたくなってしまうこともあるかもしれない。だが、本作を読むと、動物たちにも彼らなりの考えがあり、言葉が通じなくても絆はたしかに紡がれているではないかと自信が持てるはず。サトルを想うナナの温かさにふれると、もしかしたら動物たちは私たちが思っている以上に飼い主のことを大切に考えていてくれるのかもしれないと思わされてしまう。

動物の寿命は人間よりも、はるかに短い。医療の進歩や完全室内飼いの推奨によって飼い猫の平均寿命はひと昔前よりも長くはなってきているが、人間の平均寿命には到底及ばない。どんな命にも限りがあり、“別れの日”は必ずやってくる。そうした現実は残酷にも思えるが、限りがあるからこそ、今、目の前にいてくれる“小さな家族”をこれ以上ないほど大切に慈しんでいけたら…と思う。

サトルとナナのような絆を、私と愛猫は築けているだろうか。本作を読破すると、そんな想いに駆られ、隣にいてくれる愛猫をギュっと抱きしめたくなるはずだ。

文=古川諭香

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