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「名前」を持つことに憧れた野良猫はどうなる?『なまえのないねこ』

「名前」を持つことに憧れた野良猫はどうなる?『なまえのないねこ』

猫の名前には、色々な思いが込められており、そこには猫と人間の絆が詰まっている。『なまえのないねこ』(竹下文子/小峰書店)を手に取ると、そんな思いで胸がいっぱいになる。

本作の主人公は、商店街で暮らす1匹の野良猫。野良猫は近所の八百屋や書店、パン屋、蕎麦屋、喫茶店などで暮らす飼い猫たちがみんな名前を持っていることに気づく。

「名前」を持つことに憧れた野良猫はある日、お寺の猫に「自分で好きな名前をつければいいじゃない」と言われ、名前を探しに街へ繰り出すことに…。しかし、その先で野良猫が直面した現実は、想像以上にシビアだった―…。

野良猫は、自力でご飯を得ないと生きていくことができない。虫を捕まえるだけではなく、時には人やお店から食べ物を奪わないと命を紡いでいけない日だってある。それなのに、過酷な世界で生きている野良猫に向けられる視線は痛い。

作中では、名前を捜し求める野良猫に対して心無い言葉を投げかける人間も登場する。猫好きの方は、その描写を見て悲しい気持ちになってしまうだろう。だが、これが野良猫が直面している現実なのだ。

お店のものを奪おうとする野良猫。ゴミ箱を荒らす野良猫。そんな彼らは「あっちへ行け」「この泥棒猫」などといった、残酷な言葉が浴びせられることが多い。ただ、必死に生きているだけなのに…だ。

野良猫はもともと、私たち人間が誕生させてしまった存在であるともいえる。身勝手な理由で命の責任を放棄し、行き場を失った元飼い猫が必死に生きようとして野良という道を選ばざるを得なかったケースは多い。

近頃は「猫ブーム」という言葉も使い古されるほど、猫を飼育したいと思う人が増えている。テレビや雑誌などで猫にスポットが当たることも多くなり、2017年には初めて、犬の飼育頭数を猫の飼育頭数が上回った。こうした猫ブームに沸いている時代だからこそ私たちは、猫との付き合い方を学んでいかなければならない。

猫は狩猟本能を持った小さなハンターであり、心のある生き物だ。一緒に暮らしていると、その無邪気さにイライラしてしまうこともあるかもしれない。だが、そんな時は名前をつけた日のことを思い出してみて欲しい。

私たちにとって名前は大切な響きを持つもの。それは動物だって同じ。名前はかけがえのない宝物になる。名前をつけた時、あなたはきっと目の前の小さな命に、家族になることと一生を受け入れる責任を誓ったことだろう。だからこそ、動物は自分の名前をちゃんと覚え、呼ばれる度に喜ぶのだと思う。私たちはその純粋な気持ちに「終生飼育」という手段で応えていかねばならない。

本作では名前を捜し求める野良猫がラストに、自分が本当に欲しかったものを見つける。果たしてそれは一体なんだったのか。あたたかい文とイラストを心で噛み締めながらページをめくると、野良猫が生きる世界の厳しさを改めて考えてみたくもなる。

絵本は子ども向けだと思われがちだが、本作を手に取ると大人の心にこそ響く絵本というものもあるのだと実感させさせられるはず。読後、あなたの胸にはどんな感情が残るだろうか。

文/古川 諭香

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