• 病気事典

尿の量が少ない

尿は体内で不要になった物質を体外に排出する大切な機能をもっている。尿が出ない、あるいは出にくいという症状が出た場合は、様子を見ずにかかりつけの獣医師に相談した方が良い場合が多い。オスでは前立腺肥大などが生じて、排尿の量が少なくなる場合がある。尿道結石などでも尿の量が減ることが多い。また、会陰ヘルニアで膀胱が会陰部に出てしまい、尿が排泄しにくくなることもある。

ここをチェック!1つでもあてはまったら要注意!

① 飲む水の量はいつもと同じなのに量が少ない
② 排尿時の姿勢がいつもと違う
③ 気温や室温の急激な変化は特にないのに、尿が出ない
④ 便秘など尿以外の何らかの異常がみられる

■オスに多い前立腺異常や尿路結石症

高齢のオスに多い前立腺腫瘍は、悪性である可能性が高く、尿が出にくいなどの症状が出た時には手遅れの場合も多い。前立腺肥大も高齢のオスに多く、尿が出にくかったり、血尿などの症状が現れる。
尿道結石、腎結石、尿管結石、膀胱結石を合わせて、尿路結石症と呼ぶ。どの場合も一回排尿が減ったり、出にくくなるという症状が出ることがある。
尿の量が減り、急に元気が無くなり、体重が落ちるなどの症状が出るのが犬の糸球体腎炎。腎臓の糸球体(しきゅうたい、腎臓の中のネフロンにある毛細血管の塊)が炎症を起こす病気で、尿が出にくくなる。
膀胱炎も泌尿器系疾患の中では多い病気のひとつで、オスに比べるとメスに多く、細菌感染や寄生虫・真菌の感染、腫瘍などによって膀胱に炎症が起こる。

★飼い主さんが自宅でできる予防

オスに多い前立腺の異常は、去勢手術により予防できる。繁殖を望まない場合は、去勢手術で病気の予防も可能。
生まれつき結石ができやすい体質の犬もいるので、できにくくなる食餌に変えることで、病気の予防になる。また、尿道結石の予防は、細菌性膀胱炎の予防が有効なので、膀胱炎の症状が出たらすぐに病院で治療すること。
なるべく清潔な飼育環境にすることで、細菌感染による膀胱炎の予防ができる。

獣医師江本宏平先生のワンポイントアドバイス

いつもどれぐらいの尿を出しているかを知っておきましょう

毎日お世話をしていると、何となく感覚的に尿の量を把握していると思います。この「何となく知っておくこと」が結構大事なポイントとなります。いつもより尿が少ないと感じた時は、すぐにかかりつけの先生と相談してみてください。結果的に「気のせいだった」「何でもなかった」となってしまっても、大きな病気を見逃すより、何倍も良いことだと私は思います。それほど、尿が出にくくなる症状は、深刻な病気であるケースが多いのです。
普段の生活で尿に関するトラブルを防ぐために大切なのは、なるべくトイレを我慢させないようにすることです。したいと感じた時にした方が良いのは、人の場合と同じです。自然でストレスのない排泄ができるような環境を整えておくことが、尿トラブルを引き起こす病気の予防に役立ちます。
(ペット往診専門動物病院 わんにゃん保健室、院長江本宏平)
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