• 病気事典

尿の量が多い

量が多くなる場合には、糖尿病や尿崩症、甲状腺機能亢進症、ストレスなどが考えられる。避妊手術を受けていない7歳以上のメスの場合は、子宮蓄膿症の可能性も。一方、飲む水の量はいつもとかわらないのに尿の量が少ない場合は、尿道がふさがっている、腎不全により量が少なくなる、膀胱アトニーなどの病気の疑いも。尿が出ない状態が続く場合、命に関わる危険性が高くなるので、1日以上尿が出ない、力んでいるのに尿が出ない、などはすぐに病院に行くこと。

ここをチェック!1つでもあてはまったら要注意!

① 飲む水の量はいつもと同じ
② 気温や室温の急激な変化は特にない
③ 運動量はいつもと同じ
④ 薬などは与えていない

■多飲多尿は病気のサイン

尿が増えるのは、水を多く飲むためで、多飲多尿は病気のサインのひとつ。多尿の原因は1)細菌などの感染、2)腫瘍、3)ホルモンの異常など内分泌疾患、4)腎臓病、5)ストレスなど心因性によるもの、といった5つのケースが多い。
1)では子宮に膿が溜まる子宮蓄膿症が代表的な病気。特に細菌感染の場合は、感染による体温の上昇や毒素の影響で多飲多尿となる。2)腫瘍でも何らかの炎症により、多尿の症状がみられる場合が多く、3)内分泌疾患では糖尿病などで多尿の症状を表す。また、副腎の病気(副腎皮質機能亢進症、クッシング症候群)も多尿の症状が出る。4)腎臓病では、腎臓の機能が低下して、薄い尿が大量に出ることが多い。5)心因性多飲はストレスにより大量の水を摂取して、尿が増える心因性の病気。ストレスの原因をさぐり、飼い主との上手なコミュニケーションにより、解決するケースがほとんど。

★飼い主さんが自宅でできる予防

雌犬に多い子宮蓄膿症を防ぐために、避妊手術が有効な予防方法のひとつ。繁殖を望まない場合は、避妊手術により、病気の予防が可能となる。
腫瘍ではできた部位や、腫瘍による炎症や、ホルモンバランスの異常により、多飲多尿の症状を表すことがある。大型犬では5歳以上、小型犬では6歳以上になったら、定期検診により、ガンの早期発見を。
腎不全は日常生活で予防するのが難しい病気のひとつ。尿検査により腎機能低下と診断されたら、早めに適切な治療を行うこと。特に慢性腎不全は早期に発見して治療をすることで、進行を遅らせることが大切。

獣医師江本宏平先生のワンポイントアドバイス

「多尿だから水を飲ませない」は危険です

尿の量は犬の体重1kgあたり25〜40ml程度が一般的で、それ以上の量になると、何らかの異常が考えられます。多尿になってしまうと、飼主さんの多くは怖くなって、あまりお水を飲ませないようにしてしまいがちですが、水を飲まないと病気がもっと悪化してしまうことが多いので、与える水の量はかかりつけの先生と相談しましょう。とはいえ水ばかり大量に飲みすぎると、水中毒も心配です。ホームドクターと相談して、イオンバランスが良く、たくさん飲んでも大丈夫な犬用のバランス飲料などを与えるなど、工夫することで水中毒を防ぐことができます。
(ペット往診専門動物病院 わんにゃん保健室、院長江本宏平)
この症状にあてはまる病気
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犬の膣炎

犬の子宮蓄膿症

犬の前立腺炎

犬の上皮小体機能亢進症・低下症

犬の甲状腺機能亢進症・低下症

犬の副腎皮質機能亢進症

犬の尿崩症

犬の糖尿病

犬の尿道炎

犬の尿路結石症

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犬の腎盂腎炎

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犬パルボウイルス感染症


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