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血液検査と新刊「楽しかったね、ありがとう」のこと【犬猫家族】

石黒由紀子の犬猫家族

~豆柴センパイと捨て猫コウハイと一緒に~ vol.63

なんだかすっかりご無沙汰してしまっていました……。前回は、センパイの血液検査のことを書き、そのまましばらく間があいてしまったので、「も、もしや……?」とご心配をおかけしていたかもしれませんね。すみません!

センパイ、それなりに元気でおります。脚が少しよろっとしたり、眠りが深くて家人の帰宅に気づかなかったり、そんな13歳の、もうすぐ14歳の静かな日々です。

センパイをちょっと距離を置いて見守っているのが、毎度おなじみコウハイです。世話を焼きすぎないのがコウハイのいいところ。空気を読み、センパイを尊重して、いつもさりげなく気遣ってくれています。

センパイの血液検査ですが、あれから日にちをおいて何度か再検査をするも、やっぱり肝臓と腎臓に問題があるようです。獣医師曰く「腎臓病の初期から中期に移行するくらいのところ」。そして、「腎臓は悪くなると、治る、ということはありません。つまり、これ以上悪くならないようにすること、進行をできるだけ止めておくのが治療です」。

当面の治療方針としては、完全な療養食にはぜず、いつものドッグフードを食べながら、たんぱく質豊富な食べ物の摂取はできるだけ避ける。これは、ささみ、納豆、豆腐が大好きで、よく食べていたセンパイにとってはちょっと寂しい……。それから朝夕の食餌にふりかけて活性炭製剤を飲ませることになりました。

「腎臓といえば利尿作用があるものがいいはず」と、しじみ汁で汁だくフードにしたり、ペット食餌療法インストラクターの友人に食餌のアドバイスを受けたりしながら、定期的に通院、血液検査もして、夏を過ごしています。スイカもよく食べています!

ふと周囲を見ると、腎臓や肝臓に問題あり! の同世代犬のなんと多いことか。みんなで情報交換しながらの絶賛治療中!

数値が下り、安定するのが一番だけれど、数値を気にしすぎてキリキリしてしまうのも良くありません。まずは「センパイが心地よく過ごし、美味しく食べられる日々であるように」を心がけていくつもりです。

少し前の私なら「血液検査の数値を下げること」を目標にして、躍起になっていたかもしれませんね。「腎臓にいい」というものをすべて取り入れるかの勢いで。

しかし、今、そうなっていないのは6月に出た新刊『楽しかったね、ありがとう』の取材経験があったから。15歳の犬から25歳の猫まで、ご長寿だったペットを見送った飼い主さん20人に体験したことを聞き、20編の物語にまとめました。

ひょんなことから一緒に暮らすようになり、25年も共に生きた猫。保護犬の里親として引き取り、綱渡りのような老犬介護の日々。行きつけの焼き鳥屋で生まれた子猫を引き受けて育て、20年間なつきもせずに、眠ったまま亡くなった自己完結猫……。

印象に残った出来事や見送った後に残った思いはそれぞれ。生活スタイルからなぜご長寿だったのかを探り、書くことで、私自身も勉強になることがたくさんありました。

いつか訪れるセンパイとの別れについて、自分自身の心の準備をどうすればいいか。今のような暮らしを1日でも長く続けていくためにできる対策はあるのか。ご長寿には秘訣があるのか……。そんなことを知りたくて書くことを決め、取材をはじめたのです。

はつらつとしていた犬や猫が次第に年を取り、当たり前のようにできていたことができなくなってきた姿を見る悲しさ、介護をするつらさ。闘病中、積極的な治療をどこまで受け入れるかという判断、ペットの命の長さを飼い主が決めていいのかという迷い、経済的な問題……。

どんな答えを出しても決断した後に「本当にあれでよかったのか」と自問自答する人が多いようですが、それはいくら考えても答えは出ないのということも知りました。学んだことは「正解はひとつではない」ということです。そして「優先すべきは、どうぶつたちと飼い主の、日々の小さなしあわせ」だということも。

自分のエゴを優先するのではなく、動物たちに向き合いながら、彼らに対してできることを、後悔のないようにちゃんとやること。そして、それを1日1日積み重ねることでしか、自分を納得させられることはないようです。

センパイの腎臓の数値を下げるべく、センパイが食べたくないようなものばかりを食べさせたり、行動を制限すること。センパイが気持ちまで沈んでしまうような治療を繰り返すのは、考え方は人それぞれですが、私の本位ではありません。

もちろん治療は続けていきますが、まずは、どうぶつたちに心配をかけないよう、飼い主も元気に楽しく過ごすこと。そして、センパイとコウハイに寄り添い、ともに暮らす今を大切にするこを心がけます!

石黒由紀子(いしぐろ・ゆきこ)

エッセイスト。栃木県生まれ。日々の中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、webに犬と猫との暮らし、グッズや本のリコメンドを執筆。著書に『GOOD DOG BOOK~ゆるゆる犬暮らし~』(文藝春秋)、『なにせ好きなものですから』(学研)、『さんぽ、しあわせ』(マイナビ)など。『豆柴センパイと捨て猫コウハイ』『犬猫姉弟センパイとコウハイ』『しあわせ4コマ豆柴センパイと捨て猫コウハイ』(ともに幻冬舎)は、幅広い支持を受けロングテールで人気。近著は『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(幻冬舎)

◆石黒由紀子HP
http://www.blueorange.co.jp/yuruyuru/index.htm

◆石黒由紀子instagram
https://www.instagram.com/yukiko_ishiguro_/

◆石黒由紀子Twitter
https://twitter.com/yukikoishiguro

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