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まだ浅い春の日に 【犬猫家族】

石黒由紀子の犬猫家族

~豆柴センパイと捨て猫コウハイと一緒に~ vol.60

今年も3月11日が過ぎていきました。静かに祈る日、そして、2011年以降、私にとっては毎年、避難用物資の確認をする日です。犬と猫と同伴避難をする際の、とりあえずのフード、トイレシーツや砂、ビニールやウエットシートを入れ替えて。

そしてしばし、8年前の3月11日を思い出しました。当時、中学3年生だった甥っ子の合格発表の日。よく晴れたおだやかな午後、合格の知らせをもらい「本当によかったね、おめでとう!」と電話を切った、その直後のことでした。グラッと床がずれるような感覚があり、それから大きく揺れ出して。その時間はとても長く感じられました。都内の我が家では生活に支障をきたすことはありませんでしたが、冷蔵庫が動き、大きなスピーカーが振り子のように左右に揺れて怖かった。棚から本やCDが飛び出し、キッチンではお皿が何枚か割れました。

在宅していたのは、私とセンパイとコウハイ。突然の揺れに、センパイもコウハイも驚いて動けずにずっと立ちすくんでいたので、すぐに捕まえることができました。センパイは5歳。コウハイは生後6ヶ月(推定)で、我が家にきて3ヶ月経ち、人も犬も猫も暮らしに慣れてきた頃でした。

余震が続き、TVの画面からは津波の映像が流れ、被災地の状況が明らかになればなるほど、心配と不安でいっぱいでした。人の気持ちは動物たちにも伝染するので、センパイもコウハイもナーバスな感じ。特にセンパイはわかりやすくて、いつも以上に私のあとをついて歩くようになり、ほんの少しの揺れにも「はっ!」としたり。TVの地震速報の音には震え上がるようになりました。

散歩の途中、公園や河原の草をはむはむ食べるのが好きなセンパイですが、そんな日常のひとコマさえにも、「大丈夫かなぁ」と心配したものです。

動物愛護のボランティア活動をしている友人はすぐに東北を目指し、何度も通い、大地震と大津波と原発事故のために、家族と暮らせなくなった犬や猫や牛、学校で飼育されていたうさぎ、そのほかたくさんの動物を救助しました。

私の周りには、東北で暮らしていた犬や猫の里親になったり、震災をきっかけに一時預かりのボランティアをする人も多くいました。

「人はどこかで自分が生きている時代と一体化している。だから、昭和の終わり頃に、実に多くの著名人が死んで行ったことを思い出す」、そう書かれていたのは、1月末にお亡くなりになった作家の橋本治さん(ちくまWEB 連載『遠い地平、低い視点』)。その言葉通り、今年に入って、親しかった人、犬、猫との悲しい別れが続いています。

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