犬や猫にも糖尿病ってあるの?【Dr.古江のお悩み相談室】 健康古江加奈子犬や猫にも糖尿病ってあるの?病気 お水をたくさん飲んでたくさんおしっこをする、「多飲多尿」の裏に潜んでいる怖い病気の中に「糖尿病」があります。 「糖尿病って人間だけじゃなくて動物にもあるの?」よく飼い主さんに質問される事柄の1つですが、その質問の答えはもちろん「あるんです」。 では、糖尿病ってどういう病気なんでしょうか? 糖尿病の初期によく起こる変化としては、多飲多尿の他には多食(食欲が増すこと)が認められることがあります。初期にはそのくらいしか外見的に見える変化はありません。つまり元気具合はいつもとあまり変わりないのです。そのため飼い主さんは、「水を飲む量やおしっこが多いけれど、よく食べて元気があるから、まさか病気じゃないよね。」と考えるようです。 このため糖尿病は見逃されやすいんです。 糖尿病という病気は、尿の中に糖が出るというイメージしかない方が多いのですが、実は大変な病気です!本来はエネルギーとして有効に使うはずの糖が使えなくなってしまい、エネルギーにできなかった過剰な糖が尿中にでてくる病気なので、ちゃんと食べているのに、食べた栄養がきちんと使えなくなってしまうため、体としては栄養不足の状態になります。栄養不足なので栄養を求めて多食になるんですね。 食べているのに体重が減ってくるという不思議な現象 糖尿病の初期に食欲が増えるのは、エネルギー不足を補うための反応です。一生懸命食べるけれど、栄養としては身に付かない・・・そうすると体に貯蓄している脂肪や筋肉という、エネルギーの元を切り崩してエネルギーとして利用する様になります。そのため糖尿病が進行すると、いくら食べてもどんどんエネルギー不足になるため、食べているのに体重が減ってくるという不思議な現象が起こってきます。 使いやすいエネルギー源の糖が上手く使えずに、脂肪をエネルギー源として使用していくと、ケトン体という体にとって有害な物質が作られてしまいます。このケトン体が体にどんどん蓄積してしまうと血液が酸性に傾き、命に関わるケトアシドーシスという非常に危険な状態に陥ってしまいます。それ以外にも、高血糖状態が続く事で白内障や腎障害などの合併症が起きてくる事もあります。 このように放置していると命に関わることもある糖尿病ですが、メインとなる治療法はインスリン注射による血糖のコントロールです。よく飼い主さんから「注射をうつのは怖いので、他に飲み薬はないですか?」と聞かれるのですが、残念ながらワンコの糖尿病は膵臓からのインスリン分泌能力が低下する、またはなくなる「Ⅰ型糖尿病」がほとんどです。 そのため人でみられる、インスリンの分泌能力は残っているけれどインスリンに対しての抵抗性が増してしまう「Ⅱ型糖尿病」のように血糖降下剤という飲み薬で血糖値のコントロールをすることはできないんです。ニャンコの場合は、膵炎から「II型糖尿病」を発症する事が多いと言われていて、一時的な糖尿病になっていることがあるため、インスリンの注射をすることで糖尿病状態を離脱できることがあります。 1 2 \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! 【紫しえのわんちゃんからの贈り物】年末のニクの日と初詣。 (1.23) 【紫しえのわんちゃんからの贈り物】芸術の秋、お家時間で得た宝物 (11.2) 救世主ゲバラくんの誕生日に思うこと。 (7.9) 犬が落ち着きはじめるのは何歳ぐらいから? (7.4) 注目のグッズ 犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」 ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』 ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 【猫クイズ】短足・小型・巻き毛が特徴の「ラムキン」ってどんな猫種? 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? ぼくたちは猫を育てているのではない。猫に育てられているのだ。 \ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! / PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! Facebook にいいね!する Twitter をフォローする Instagram をフォローする Pinterest をフォローする