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【ペットのがん治療】凍らせて壊死させるがんの治療法・凍結療法について

医学領域では、多種多様ながんに対して臨床応用が進んでおり、その安全性のみならず、疼痛緩和においても大きな効果があることが報告されています。2011年には腎臓がんに対して保険適用されています(政府が安全で効果的な治療と認めたということです)。

医学領域における凍結治療の方法は、先端に針のついた冷凍手術器(プローブ)をがん組織内に挿入し、先端から炭酸ガスやアルゴンガスを送り込みます。その結果、直径約3cmのアイスボールが作製されます(がん組織が直径3cmで凍結するということです)。がん細胞は-20度で死滅し始め、-40度で壊死します。すなわちアイスボールが作製された部位は壊死をすることになります。

一方、獣医領域では表在性の腫瘍に対して液体窒素が使用されているに過ぎません。鳥取大学動物医療センターでは、数年前よりアルゴンガスを使用した凍結治療を深部がんならびに手術不適応のがんに適用しています。今回、その1例を紹介します。

症例:犬、プードル、雌、14歳、7kg。胸部に直径約9cmの胸腺腫があり、他院にて治療法がないため余命1ヶ月と診断され、本院に紹介来院されました。図4は初診時の胸部X線像です。がんのため、心臓が後方におされていることがわかります。

この症例は、当初ラジオ波を用いた温熱療法を実施し、がんはやや縮小しましたが、治療間隔を延長していきますと再度がんは増大してきました。飼い主との話し合いにより、凍結治療を実施することになりました。図5は全身麻酔下で凍結処置を実施している外観です。3本のプローブをCTガイド下でがん組織内に設置し、10分凍結-5分融解-10分凍結を実施しました。

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図4.初診時の胸部X線像。赤線で囲っている部位ががん

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図5.凍結処置を実施している外観

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