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【ペットのがん治療】将来に期待されるがんの治療法「実験的治療」とは?

1990年より、がんに対する種々のワクチン療法が開発されてきました。これは、ある特定のがんにターゲットをしぼったものであるため、特異的免疫の範疇にはいります。その中の一つに摘出したがん組織を抗原としてワクチン療法を行う自家がんワクチン療法(http://cell-medicine.com)があります。本治療法は、大野忠夫先生が開発されたもので、現在多くの医療施設で実施されています。

2003年より自家がんワクチン療法研究会が設立され、情報交換が行われています。詳細はこの研究会のホームページ(http://www.ascavath.org/index.html)をご覧ください。いっぽう、獣医領域では2004年から鳥取大学動物医療センターで本邦で初めてこの治療法を取り入れています。

図1に自家がんワクチン作製の流れを示しました。まずがんを外科的に切除後、がん組織を機械的に粉砕し、超音波処理します。その後、その液を遠心して上澄みを回収し、ミリポアフィルターを用いて濾過します。これをがん抗原として使用します。

このがん抗原とアジュバント(免疫応答を増強する物質)をそれぞれシリンジにとり、2本のシリンジを連結器でつなぎ、両液を混和します。がん抗原は水溶性で、アジュバントは油性であり、両者を十分に混和することにより、水と油が分離しない状態、すなわちエマルジョン状態となります。このエマルジョンを皮内に接種します。

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図1. 自家がんワクチン作製の流れ

自家がんワクチンのプログラムを図2に示しました。最初に抗原のみを皮内接種し、自己組織に対する反応の有無を確認します(DTH-1)。次に、上記の方法で作製したワクチンを1週間間隔で3回皮内接種します(図3)。3回目のがんワクチン接種1週間後に再度がん抗原を皮内接種します(DTH-2)。この一連の作業を1クールとします。

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図2. 自家がんワクチン接種スケジュール

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図3.自家がんワクチンの皮内接種

がん抗原接種48時間後に接種部位の発赤の状態を観察し、その直径を計測します。直径10mm以上の発赤(乳がんの場は5mm以上)が生じれば「陽性」と判定し、がん抗原に対して免疫が獲得されたと判定します(図4)。この反応はIV型アレルギー反応を応用したものであり、一般に知られるツベルクリン反応と同様です。

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図4.自家がんワクチンの効果判定

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