【ペットのがん治療】がんになるとなぜ死ぬのか? ペットのがん健康岡本芳晴病気相談室 がんはなぜ再発するの? がんという病気がやっかいなのは、再発することです。ではなぜがんは再発するのでしょうか?それは図7に示した通りです。第1に「治療後にもわずかながん細胞が残っていた場合」です。そのため、がんを手術で摘出する場合、正常組織も含めてがん組織を切除します。大きく切除すればするほど、がん細胞が残ってる確率は低いわけです。この理論を発展させると、指の先にがんができると断脚(足を切除)をするということになります。 獣医学では上記の理論に従って大きく切除することが一般的です。しかし、ヒトの場合、乳がん手術で大きく切除したヒトと部分的に切除したヒト(両者共に術後の再発防止としての化学療法は実施されています)では術後の寿命に差がないことがわかっています。つまり、拡大手術に疑問がもたれるようになり、いまでは乳がんに対する拡大手術はあまり実施されていません。しかし、動物ではまだそのような報告がないのが現状です。 第2に「すでに転移していた場合」です。外科手術でがんを切除しても、すでに血管の中に侵入していたならば、いくら大きく切除しても完全にはがん細胞は除去できないわけです。そのためにも切除したがん組織を病理検査することはとても大事なことです。 第3に「がんになりやすい状態が治っていない状態」です。この場合、前回発生したがんとは別のがんが発生することもあります。では「がんになりやすい状態」とはどんな状態でしょうか?それはいろいろな原因があります。これについては次回でくわしく説明しましょう。 第4に「がん治療過程で放射線や抗癌剤で遺伝子が損傷を受けている場合」です。「がん治療」のところで述べますが、がんの3大治療とは、外科手術、放射線療法、化学療法です。その3大治療の2つは実はがん発生の原因を作っていることになるというわけです。 図7.がんが再発する理由 文/岡本芳晴(おかもとよしはる) 昭和34年兵庫県生まれ。昭和58年北海道大学獣医学部獣医学科卒業。昭和62年北海道大学大学院獣医学研究科予防治療学専攻博士後期課程中途退学(博士号学位取得)。昭和62年より鳥取大学助手農学部。平成15年教授に就任。 ◆専門:獣医外科学(小動物外科専門医) ◆主な研究テーマ:がんに対する先端的治療(がん免疫療法、光線温熱化学療法等)の開発、内視鏡下手術の獣医臨床応用、等 ◆所属学会:日本獣医学会(評議員)他 ◆趣味:詩吟、家庭菜園、海草採取、バイク、ワイン、読書 配信サイト:「ペットゥモロー」 ペットとの生活をより楽しく、充実させるためのノウハウや情報をお届けするペット総合情報メディアです。 HP:https://petomorrow.jp/ ペットゥモロー公式TwitterやFacebookでも記事を配信中。ぜひ、フォロー&いいね!してくださいね。 Twitter:https://twitter.com/PETomorrow Facebook:https://www.facebook.com/petomorrow/ 1 2 3 \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! 【紫しえのわんちゃんからの贈り物】年末のニクの日と初詣。 (1.23) 【紫しえのわんちゃんからの贈り物】芸術の秋、お家時間で得た宝物 (11.2) 救世主ゲバラくんの誕生日に思うこと。 (7.9) 犬が落ち着きはじめるのは何歳ぐらいから? (7.4) 注目のグッズ 犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」 ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』 ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 【猫クイズ】短足・小型・巻き毛が特徴の「ラムキン」ってどんな猫種? 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? ぼくたちは猫を育てているのではない。猫に育てられているのだ。 \ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! / PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! Facebook にいいね!する Twitter をフォローする Instagram をフォローする Pinterest をフォローする