【ペットのがん治療】がんになるとなぜ死ぬのか? ペットのがん健康岡本芳晴病気相談室 がん細胞が転移をするとは? がん細胞が転移するとは、どういうことでしょうか。図3にその流れを示しました。すなわち、がん細胞が最初に発生した部位(原発巣)からはなれ、血管、リンパ管の内部に侵入します(この状態を病理組織学的には「脈管浸潤あり」といいます)。そうすると、血液やリンパ液の流れにのって体内を移動します。そしてどこかの臓器に付着し、そこで再び増殖し塊をつくります。これが「転移」ということです。 ヒトの乳がん細胞の場合、いったん血液中にがん細胞が侵入すると、約30年間血液中を循環していると言われています。したがって、約30年間再発の危険性があるということになります。動物の場合も同様のことが考えられます。 図3.がん細胞の転移とは? がんの発生頻度は? 図4に日本人の年齢とがん死亡率のグラフを示しました。50代くらいから急激にがんで死亡する人が増加してきます。 図4.年齢と死亡数の関係 動物の場合、以前は7歳頃からがんの発生が増加してくると言われていましたが、最近では4歳頃からがんの発生が増加してきています。最近の特徴として、様々な画像診断装置(CT、MRI、緒音波装置)の発達により、内臓等の体内のがんの検出が増加してきています。犬の場合、10歳以上では約40%にがんが発生していると言われています。また図5に示したように、犬種によってもがんで死亡する率は違います。ゴールデン・レトリバー、ボクサーはがんで死亡する確率が5割を超えています。 図5.ゴールデン・レトリバー、ボクサーのがんで死亡する確率 図6に約40年前のヒト、犬、猫の10万頭あたりの部位別がん発生頻度を示しました。これをみると、ヒトでは消化管、乳がん、皮膚がんが上位3位です。一方、犬では乳がん、皮膚がん、軟部組織がん、猫ではリンパ腫、皮膚がん、乳がんが上位3位です。このように、ヒトと動物では上位3つのがんのうち、2つは共通しているのです。 2008年、コペンハーゲンで第1回世界獣医がん会議が開催されました。その時に、デンマークにおけるヒトと動物のがん発生頻度調査の報告がありました。ヒトと犬の各トップ10のがんのうち、メスでは8つのがん、オスでは7つのがんが同じであったことが報告されました。 このように、ヒトと動物では、がんの発生が非常に似ていることがわかります。 図6.ヒト、犬、猫の10万頭あたりの部位別がん発生頻度 1 2 3 \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! 【紫しえのわんちゃんからの贈り物】年末のニクの日と初詣。 (1.23) 【紫しえのわんちゃんからの贈り物】芸術の秋、お家時間で得た宝物 (11.2) 救世主ゲバラくんの誕生日に思うこと。 (7.9) 犬が落ち着きはじめるのは何歳ぐらいから? (7.4) 注目のグッズ 犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」 ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』 ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 【猫クイズ】短足・小型・巻き毛が特徴の「ラムキン」ってどんな猫種? 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? ぼくたちは猫を育てているのではない。猫に育てられているのだ。 \ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! / PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! Facebook にいいね!する Twitter をフォローする Instagram をフォローする Pinterest をフォローする