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スコティッシュフォールドに多い「骨軟骨異形成」とは?【Dr.古江のお悩み相談室】

骨軟骨異形成の症状を改善する方法

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この病気の診断は、まず猫の種類や特徴的な症状によってこの病気を疑います。続いてレントゲン検査で骨や関節の変形を確認し、他に同様の症状を引き起こすような原因がないかを血液検査などを実施して調べます。

残念ながらこの病気だと分かった場合に、治療はどういったものがあるのでしょうか?遺伝性疾患のため根本治療というのはありませんが、症状を改善する方法はいくつかあります。

1. 外科手術によって骨瘤を取り除く
2. 放射線を骨瘤に当てて骨の成長を抑える
3. 消炎鎮痛剤で痛みを和らげる
4. ビスフォスフォネート製剤(骨粗しょう症のお薬)の投薬

上記の4つが一般的な治療法になりますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

1. 外科手術は、痛みの原因になる部分を取り除くので効果的だと言われています。しかし骨瘤は四肢すべてに発生していることが多いため、すべての骨瘤を取り除く手術となると猫ちゃんの負担も多くなりますし、当然全身麻酔が必要になります。

2. 放射線療法も効果的な治療法ですが、特殊な設備が必要になるため治療できる施設が限られていますし、全身麻酔が必要になります。

3. 消炎鎮痛剤の投薬は、症状の重い子の場合はあまり改善が認められないと言われています。また、痛みを抑えることができても骨瘤の成長は止まらないため、痛みのコントロールができなくなることもあります。

4. ビスフォスフォネート製剤の投薬は、まだ他の3つと比べると報告は少ないものの、消炎鎮痛剤と組み合わせることで症状を改善できると言われています。じつはこの骨軟骨異形成症は同様の病気が人でも知られていて、このビスフォスフォネート剤が治療に使われているんですよ。

その他、サプリメントなども併用することはありますが、効果の程は個体差があるように思います。

この病気は遺伝病なので、耳折れ同士の繁殖を避けるぐらいしか予防法はありません。症状の程度も猫ちゃんによって全く違うので、軽い子だと別の病気で処方した消炎鎮痛剤を飲んだらジャンプできるようになったから実は痛みがあったことが分かった、なんて子もいます。スコティッシュフォールドはとても魅力的な猫ちゃんですが、その魅力ゆえの持病があるのもまた事実です。

症状の軽い子の場合は飼い主さんが気づかれないことも多いので、昔と比べて動かなくなった場合は、実は関節が痛いからかもしれません。普段から気を付けて見てあげるようにして下さいね。

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文/古江加奈子(獣医師)

パーク動物医療センター副院長。福岡県獣医師会、福岡市獣医師会、日本獣医がん学会に所属。言葉の話せない動物を治療するうえで、動物たちに聞く代わりに飼い主から沢山のことを聞き、飼い主とのコミュニケーションを最重視するドクター。http://parkanimal.jp/

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