TOP>連載 > ずっと犬を飼いたいと思っていた【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

  • 連載

ずっと犬を飼いたいと思っていた【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

柴門ふみの50過ぎて犬を飼う(1)

ずっと犬を飼いたいと思っていた

ずっと犬を飼いたいと思っていた。

子供たちの手が離れ、私の<何かを育てたい>欲望が行き場を失っていたからだ。家庭菜園を始めてみたが、手間暇かかる割にあっという間に食べてしまう。おまけに作物は喋らない。どうも物足りなかった。

そんな時、大学時代の友人に会った。彼女は定年まであと5年を残して早期退職していた。バツイチの一人暮らし。定年後の人生をどう過ごしているのと聞くと、犬を飼っていてその世話で一日があっという間に終わると言う。可愛いの? と尋ねると、

「そりゃあ。だって、ずっと3才のままの子供が家に居るのと同じだもの」

彼女のその一言で私は決心した。

「絶対、犬を飼おう」

ちょうど、長年暮らした練馬から吉祥寺に越したばかりだった。新居のすぐ裏は、井の頭公園だ。まさに、犬を飼えといわんばかりの環境である。

しかし、それでもまだ私は躊躇していた。毎朝の散歩が私にできるだろうか?犬を飼えば旅行ができなくなるという、家中毛だらけになるらしい、第一、私ってそれほど犬好きだっけ……?

犬を飼うことに賛成だった夫と一緒に、暇を見つけてはペットショップに立ち寄った。しかし、どの犬を見てもピンとこなかった。

そして、今から2年前の12月。ふと入ったペットショップでウェルシュコーギーの仔犬と目が合った。可愛いねと話し合う私たちに気づいた店のスタッフが声をかけてきた。

「抱っこしますか?」

言われるままに抱きかかえると、小刻みに震える仔犬の頼りなげな肉体から、確かな命の温もりが伝わってきた。ふわふわと、なんて温かいの!そんな私を見て夫が言った。

「気に入ったか? だったら、クリスマスプレゼントに俺が買ってやろう」

そうしてついに、我が家に<リンコ>がやってきたのである。

117

文/柴門ふみ

漫画家、エッセイスト。
1957年徳島市生まれ。
代表作「東京ラブストーリー」「あすなろ白書」「家族の食卓」など。
現在夫、愛犬リンコ(3歳)と共に東京武蔵野市に住む。

\ この記事をみんなにシェアしよう! /
この記事をみんなにシェアしよう!
関連記事
関連記事
  • 連載

血液検査と新刊「楽しかったね、ありがとう」のこと【犬猫家族】 (8.23)

  • 連載

息子達と気晴らしお出かけ。 (7.25)

  • 連載

センパイ、血液検査の結果に【犬猫家族】 (6.7)

  • 連載

こどもの日に思ったこと。 (5.31)

  • 連載

春の憂鬱【犬猫家族】 (5.2)

  • 連載

留守番のとき何してる? 【犬猫家族 番外編】 (4.15)

  • 連載

彼を父親にしてくれたのは息子たち (4.8)

  • 連載

マリアとララのインターペット訪問記 ホンダアクセス & FCA編【青山尚暉のわん... (3.29)

もっと見る

注目のグッズ

ヘビロテ確定。「俺、つしま」のTシャツが登場!

猫の舌を再現した「猫じゃすり」が、売れすぎて品薄状態!?

愛猫家必見!新発想な猫グッズで快適なねこライフを

これで人気犬!犬猫用『ドラえもん コスチューム』

どっちを選ぶ?村松誠の2019年版犬猫カレンダー

一緒に洗濯するだけで犬猫の毛を絡み取る『フリーランドリー』

愛犬が粋な日本男児に! クールな和柄の甚平

暗がりに浮かぶ柴イヌのシルエット!『シバウォールライト』

人気記事
人気記事
\ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! /
PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック!


ページトップへ戻る