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悪性腫瘍?耳を切断?…【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

大きな耳がチャームポイントの、可愛いリンちゃん。その片耳を失ってしまうかもしれないの・・・。そして散歩のたびに、こう聞かれるのだ「あら、このワンちゃんお耳をどうしたの?」・・・。

想像するだけで、涙がこぼれ落ちそうになった。

「悪性だとヒスタミンを出すので猛烈に痒がるはずです。この子はそれが無いので多分良性だと思いますが、しばらく様子を見ましょう」

しばらくって、どのくらいよ!その間にどんどん大きくなって転移したらリンちゃん死んじゃうじゃない!!

そう叫びたいところをグッと我慢し、リードを握りしめ私は帰路についたのだった。

涙で目がかすんでうまく歩けなかった。

一か月半様子を見ましょう、と先生は言った。

その間どんどん腫瘍は大きくなって、最大直径2センチぐらいまでになる、・・・と。

再びカサブタに覆われた腫瘍は、医師の見立て通りに日々大きくなっていった。最初直径7ミリぐらいだったものが、1センチ、1.5センチと膨れ上がった。

「万が一、悪性だったら・・・。でも、そんなに痒がってはいないから大丈夫よね」

私は自分にそう言い聞かせた。しかし耳を切断することを考え始めると、夜も眠れなくなってしまうのだった。

そして私は、リンコが少しでも後ろ足で体を掻こうものなら、

「痒いの?痒くないわね!掻いちゃダメ!!」

取り乱して大声を上げるようになっていた。

散歩の途中でリンコが立ち止まり、体を掻こうとする姿を見るだけで私の心臓はドキドキした。

犬は気分転換のためにしょっちゅう体を掻くものなのだが、ぴりぴりしている私はつい、「痒くないでしょ?痒いのは気のせいよ。掻くと痒くなるから掻いちゃダメ~!」

そんなわけのわからない怒り声を犬に浴びせた。すると、怒られてパニック状態になって、より一層体を掻き続ける・・・。

そんな、私とリンコの緊張の日々がひと月以上続いた。そしてついに私は、

「こんなに苦しいなら、犬なんて飼わなきゃよかった」

そんな思いにまで至ったのだ。

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