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いきものを捨てる人の言い訳はいつも「自分の都合」。

突然、僕たちの視界に現れた初老の男性は、目の前にいた仔猫を押さえつけ、自分の車の中に無理矢理押し込もうとしていた。仔猫はギャーギャー騒ぎ、男性の手の中で必死にもがいている。

虐待?とそれとも連れ去り?と思い、一緒にいた動物ボランティアの方と駆け寄り声を掛けてみると「連れてきた猫が逃げた」と話す。「それは大変だね!捕まって良かったね」そう言うとその男性の表情が一瞬曇った。

その直後、その様子を見ていた別の方が「違うよ!この人は猫を捨てに来たんだ。だから捨てた猫を全部回収して連れて帰るように言ったんだよ。まだもう一匹捕まらないけれどね…」と。

この場所の「捨て猫問題」は以前に書いたことがあるが、相変わらずこのような輩は後を絶たない。多いときには週に4〜5匹の猫が捨てられ、その都度、ボランティアの方々が手分けして里親を探したり、譲渡会にお願いをしながら「少し減らせたね」と言ったそばからまた新しい顔が突然現れたりと、現在40〜50匹の猫たちがウロウロしている。もちろん募金を活動や、他県のボランティアさん力の借りながらも、譲渡が難しそうな仔たちは不妊手術をし、TNRを行っている。しかしそれも新たに捨てられいたちごっこ。

ここは観光地でもありイベントがある度にSNSでも多くの画像やコメントが寄せられる場所。しかし、以前から捨て猫はあったものの急増し始めたのは沢山の猫の画像と「ここは猫の楽園」「天然の猫カフェ!」「今日は猫チャージ!」といった位置情報を記した投稿が増えてからのこと。当然、捨て猫をしないで欲しい、SNSには猫の情報を掲載しないでくださいというお願いの掲示物や、猫の写真を撮っている方にチラシを配りながら呼びかけをしているにも関わらず「わかりました」と言いながらもその数は減らない。そして、その投稿を見てやって来た人は、また同じことを繰り返しその数は増すばかり。

そういった投稿は「好きな人」だけを引き寄せる訳ではない。時には「捨てに来る人間」や「虐待を行いに来る人間」をも引き寄せる。人間なら「今日はタグ付けしないで」とか「顔出しダメね」とか言えるが動物は言えない。犬や猫に対する優しさとは、ただ餌をあげて可愛がるだけではない。「動物の立場に立って考える」こと、これが最も重要なことだと僕は思う。

愛護動物を遺棄したら100万円以下の罰金。

さて、話しは戻って、その初老の男性はどうなったかというと、警察に通報し身柄を引き渡した。「生き物を捨てたらどうなるか」をまだまだわからない人が多いのでそういった処置も必要なこと。

警察は状況確認や証拠写真を撮りながら現場検証。辺りは物々しい雰囲気になったがこれも啓蒙のひとつ。現場検証後、男性は近くの警察署へ連行され、生活安全課で更なる取り調べを受けることになった。おそらくこの男性には「愛護動物を遺棄した者」として100万円以下の罰金が科せられることになるでしょう。

男性は約3ヶ月前に野良猫が自宅に子供を産み、可愛いからと餌を与え、育てたのだと話す。しかし、飼いきれないと判断をして「ここには沢山の猫がいるから仲良く幸せに過ごせるだろう」と思い、片道1時間以上の道程を他県から訪れたそうだ。
この男性は決して猫を嫌いではない。むしろ今後のことを考えて「自分なりの最良の判断」で連れてきたのだと思う。しかし、その判断も「あそこなら猫が沢山いるから捨てても大丈夫。引き取ってくれるよ」などと言う周囲からの間違った情報などで誤った道に進んだのだろう。僕はこの男性もそういった残念な情報に惑わされた別な意味での「被害者」でもあると感じた。

寂しい気持ちもわかる。可愛く思う気持ちもわかる。しかし罪は罪。その重さを実感し、償いながら本当の「愛護」を培って欲しいと思う。

文・写真/ケモノの写真作家 小山 智一
http://ne-cozou.com/

僕も必要に応じて撮影場所などを公開する場合があります。それは観光と猫が共存している田代島や、看板猫として猫が活躍している場所、譲渡会などの拡散が必要な場所。その上で何より大切にしているのは、その猫に何かしかの被害が及ばないか、その場所に悪影響がないかなどを考慮した上で、その場所の責任者とよく話し、了承を得ると言うこと。それは最低限のマナーだと思っています。

また、この本文に登場するSNSの注意を促した配布物(A4片面)を無償で提供させていただいております。地域猫活動などで必要な方は小山(boss@ne-cozou.com)までご相談ください。モデルはこの場所に捨てられていた「目を忘れて生まれたきた猫、スティービー」です。

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