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脱走ネコ・プーピー「ネコ界のせごどん」

この物語は、ここ30年でノラ出身のネコを12匹保護し、一緒に生活し、ついに全員を看取った中年男の喜怒哀楽に満ちた日常の回顧録である。

第三十六回 脱走ネコ・プーピー ネコ界のせごどん

“脱走ネコ”なんていうと、ちょっと間の抜けたネコの印象を持つ人もいるかもしれないが、いやいや、決してマヌケでもなんでもなかった。

海苔子やモモ子といったメスネコが子供を生んだ時も、やけに子ネコたち面倒を見たりしてたし、ウチのネコ軍団の中では完全にリーダーであった。


↑海苔子の子供をジーッと見守るプーピー。

そのガッチリと太った体躯とリーダーシップ。なにやらもはやネコ界の西郷隆盛といっていいような大物ネコだとオレは思っている。

「せごどん!」

今だったら、そう呼んでいたって不思議じゃない。なにしろ人間であるこのオレに対してまで、人生の教示といいますか、アドバイスといいますか、励ましてくれたことまであるのである。
その時の話を書く。

今から30年近く前。小学館の『GORO』という雑誌が休刊になった。その休刊パーティーがあり、レギュラーで原稿を書いていたオレも当然のように出席した。

まぁ一つの雑誌がなくなるというのは、今も昔も関係者全員にとってはとんでもない感慨があるものである。その夜は、そんな出席全員の感情がウネリのように結集して、もはや手の付けられないような盛り上がりとなっていた。

そんな中、当然のようにオレもベロンベロンに酔っぱらっていたのだが、その酔いのせいかどうなのか……まぁ酔いのせいでしょう……転倒して床に額をこっぴどく打ちつけた、らしい。らしいというのはなにしろベロンベロンだから、なんで転倒したかはよくわかってないのである。

あとで聞くと、

「フランケンシュタインかと思いましたよ!」

というくらいに額は腫れ上がっていたそうだが、とにかく救急車に乗せられて病院に搬送された。

よく覚えているのは、救急車に乗せられる時に、

「まだ呑みたい!」

と抵抗したことであるが、病院に着くと、もうシュンとしちゃったことも覚えている。そして、

「特に脳波は異常なし!」

なんて診断受けて、オレとしてはすぐさま呑み会に戻りたかったのだが、病院まで付き添ってくれた編集者に強制送還状態で帰宅させられた。

翌朝。

ベッドの中で眼が覚めた。

あ〜とんでもないことしちゃったなぁ〜と、一晩経ったことで冷静になって自虐的に反省しまくった。

“穴があったら入りたい”とはこのことで、でも穴はないから、頭までかぶったフトンの中で、もうこのまんま、ずっとフトンをかぶったままいたいと思った。

フトンから顔出すのも怖いくらいの、人生最強の自己反省状態であった。

でもそういうワケにはいかないのだ。思い出せば、病院にいった時、保険証を持ってきてないので、

「明日、保険証を持ってきてください」

といわれていたのだ。とにかく起きなきゃ……と恐る恐る、ビクビクしながらフトンから顔を出す。

すると!!

フトンから顔を出した目の前のプーピーがいた。

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