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里親への道【森ネコ、ギャングを迎えて】

はじめまして、旅作家の小林希です。

「地球ネコ旅」の連載を読んでくださっている方は、改めまして、こんにちは!

私は普段、国内外旅をしながら、本や雑誌などの原稿を書いたり、写真を撮ったりして活動しています。

20代の頃は会社員でしたが、2011年の終わりに思い切って会社を辞め、世界放浪の旅を約1年間しました。帰国後、生活は大きく変わり(曲がり?)ました。

まず、今のようにフリーランスとして仕事をはじめたこと。そして、ネコが死ぬほど好きになって、世界中のネコの写真を撮り続けるようになったこと。

そして、いつか「ネコと暮らしたい!」と強く思うようになりました。

でも、ごく自然な形で出会いたい。

周りには、「捨て猫を拾った」とか「家の前に子猫が入ったダンボール箱があって」なんて、運命の出会いを果たしている人も多いのに、私にはそんな機会は全く訪れず……。

きっと、神様が、「旅をするお前さんにはネコと暮らす資格はないよ〜」と言ってるのかも? そう思っては諦めていました。

2018年の10月24日。

取材で伊豆諸島の御蔵島へ行ったときのこと。

御蔵島の周りは、イルカが暮らす自然豊かな島です。実は今、御蔵島の森の中には、イエネコが野生化して増え続け、最大2000匹近くの「森ネコ」が暮らしていることを知りました。

問題は、森ネコたちがオオミズナギドリという鳥を食べてしまうこと。近年オオミズナギドリが激減しており、その理由のひとつには森ネコの捕食があげられています。

そのため、「御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会」が森ネコを捕獲して、都内に連れていって、里親を探す活動をしているのです。そもそもネコたちに罪はなく、ネコを放した人間に責任があるのです。

御蔵島の観光案内所で森ネコの話を聞くと、有志の会主催の「御蔵島の森ネコ写真展」が都内であるから行ってみては、とチラシをもらいました。

2018年10月28日、都内に戻ってすぐ写真展へ行きました。元野生とは思えない、人と暮らしはじめた森ネコたちのおだやかな表情に驚きました。

主宰者「御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会」代表の長谷川さんとお話をすると、現在も継続的に森ネコの里親を探しているそうです。

ちょっと迷いながらも、

「私、里親になりたい気持ちはあるのですが……」

と、正直に現在の仕事のことや、独身であること、ネコと暮らした経験がないことなど、ネコと暮らすにあたって塵積もっていた不安要素を伝えました。

「始めはすごく警戒するけど、あっという間にイエネコになる子もいますよ。それに、僕もよく旅に出るので、その間のケアを誰がするかを話し合えれば大丈夫です!」と長谷川さん。

「里親募集中のネコたちです」と、15匹のネコの写真を長谷川さんが見せてくれました。

そこで、パッと目があったのが、ハチワレの黒白ネコ・フィリクス。

「なんて目力のある顔なのかしら」と、恋するようにその瞳に引き込まれました!

「フィリックスはまだぜんぜん人に慣れてなくて。でも、一度会いにきてください」

ネコと一緒に暮らしたいと思ってから、実に7年。

「里親になれますよ!」と言われる日がくるとは!

それも、仔猫ではなくて、5歳の猫だとは!

まさに、その日が「突然来た!」という感じ!

ウキウキ、ワクワク、ドキドキ、ハラハラ。

さまざまな感情に満たされました。不安、期待、喜び、勇気、覚悟。

フィリックス、どんな子だろう?

ところが、フィリックスさん。

森ネコ界のギャングスターだったのです!

事前予告通り、まったく懐いてくれません!

フィリ「ファーーー!!!!」

私「しぇー!!!」

さあ、どうなるの!?

こうして、ギャングとまみえた私は、里親への道がギギギーッと音をたてて、開かれたのです。

今日のひとこと。

その出会いは突然にやってきました。

野生化した森ネコは、野良猫とはちがって、自然の中で生まれ育ったまさにワイルドなネコたちです。人と一度も接したことがない森ネコたちが、人との暮らしを始めてどうなるのか。フィリックスとの暮らしを前に、いろいろと準備をしていこうと思います!

写真・文/小林 希(こばやしのぞみ)

旅、島、猫を愛する旅作家//Officeひるねこ代表

東京都出身。在学中写真部に所属。2005年サイバーエージェントに入社、出版社に配属。2011年末に退社し、世界放浪の旅へ。1年後帰国して、『恋する旅女、世界をゆくー29歳、会社を辞めて旅に出た』(幻冬舎文庫)で作家に転身。主に旅、島、猫をテーマに執筆活動・写真活動している。著作など多数。また、瀬戸内海の讃岐広島に「ゲストハウスひるねこ」をオープンするなど、島プロジェクトを立ち上げ、地域おこしに奔走する。現在世界65カ国、日本の離島80島をめぐる。年150日は東京以外の他拠点生活。旅でみんながつながるオンラインサロン『しま、ねこ、ときどき海外』運営し、サロンメンバー(ひるねこ隊)の隊長として、さまざまな旅企画など実行中。女性誌『CLASSY』やデジカメWatchで連載中。

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