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「ペットロス」という軽い言葉が大嫌いだ。

この物語は、ここ30年でノラ出身のネコを12匹保護し、一緒に生活を続け、そのうちの11匹をすでに高齢で看取った今、残りの一匹“ビッタ(19才・オス)”と暮らす中年男の喜怒哀楽に満ちた日常の回顧録である。

「ペットロス」という軽い言葉が大嫌いだ。

ペットロスについて、この前も少し書いたんだけど、本当にオレはこの言葉が大嫌いだ!

だってみなさん、『○○ロス』って言葉、他に何に使ってます?

ペットロス以外以外でオレが最近聞いたのは、NHKのドラマの『あまちゃん』が終わった時の、『あまちゃんロス』と、福山雅治が結婚した時の『福山ロス』ですよ。

自分の愛する、そして人生を共有していたといってもいい動物たちが、死んじゃったことを、いくらショックだからって、そんなテレビドラマが終わったショックとか好きな俳優が結婚しちゃったショックと同列に語っていいのか? ということである。

「いやいや、最初に“ペットロス”という言葉があって、その後になんでもかんでも、なくなることのショックに対して“○○ロス”っていうようになったんだから、同列に語ってないんじゃない? 後追いで“○○ロス”って、なんでもロスをつけだした人が、勝手に“ペットロス”に寄っていっただけなんだからさ」という人もいるだろう。

一見、なるほどと思う。

“ペットロス”並の衝撃を“あまちゃんロス”も“福山ロス”も持っているんだ。そういうことをいいたいんです……そういう主張もあるかもしれない。

でもさ、たとえば自分の身内の人間が死んだ時、それがショックだったとしても“親ロス”だとか“祖母ロス““祖父ロス”なんていったりしないよね。

そんなこといったら、

「あんた不謹慎だ!」っていわれるよ絶対。

やっぱり、そのくらい“○○ロス”って言葉は軽いんだよ。

本気感がまったくない!

そもそも、親でも祖母でも祖父でも、身内の自分より年配の人間は“先に死ぬ”ことが当たり前だ。ようするに、自分よりも先に死ぬことを覚悟して共に生活しているワケだし、年配の人間は先に死ななきゃいけない! 若いヤツが先に死んじゃあいけないのだ。

ほら。子供が親より先に死ぬと、その子供は親不孝……といいますか、仏教用語で『逆縁』というらしいですが、とにかく人間の倫理に反するということになって、親は火葬場に行けないっていう風習がありますよね。そのくらい、年上は先に死ぬのは当然のことなワケですね。

それと同じように、人間よりも寿命の短い動物が、人間より先に死ぬのは当たり前なんですよ。

ある意味、亡くなることを前提として一緒に生きてる。

これを人間に当てはめると、もし人間が動物より先に死んじゃったら、これぞ『逆縁』になるワケで、ようするに、動物は先死んだ方がいいんです。

そこまで面倒見てあげたということなんです。

だから、ペットが亡くなった時はいつまでもウジウジ悩んでないで……もちろん悩んだり落ち込んだりするのはよくわかる。オレも落ち込むそれはわかる。わかるけれども、あの……『逆縁』の反対語に『順縁』という言葉があって、それは人間の道理や倫理に従っているという意味なんだけど、動物が死んだことは、これこそ『順縁』なんだと思えば、少しは落ち込みから回復する日が早くなるんじゃないですか?

ドラマの放送期間や、好きなタレントが独身でいるってことを、永遠に続くものだと思い込むのは自由だ。そして、その思い込みが破られた時に“○○ロス”といった悩むのも自由だ。

だけど、動物の寿命は絶対に永遠じゃない!

なのに“ペットロス”なんて言葉を安易に使っちゃって悩んでるから、動物の寿命は永遠じゃない

ってことを、その動物が死んだあとも理解できずにいるんじゃないか? そこが理解できないから、延々といわゆる“ペットロス状態”で文美落ち込み続けるんじゃないか?

どうしても“ペットロス”みたいな言葉を使いたいならば、オレは“ペット成仏”って言葉を代わりに使ってみるといいと思う。

だって順縁でペットは天に召されたんだからさ、成仏なんですよ。成仏……読んで字の如し、仏に成ったワケですよ。

そして“ペットロス”と“ペット成仏”って単語をよく見比べて欲しい。

“ロス”って言葉が、ものすごく下品に感じられませんか?

なんだか“食品ロスを減らしましょう”とかさ、本来はそういう時に使う言葉だってことに、いまさら気付きませんか?

少なくても、命につける言葉じゃないって思いませんか?

そんな言葉を使っちゃあ動物たちにも気の毒でしょ? 廃棄食品じゃないんだよ、あのコたち。

それに気付いたら、まずは“ペットロス”という単語からおさらばしてみてはどうだろう?

さすればきっと、あの動物たちとの思い出も、ますます素晴らしい記憶になって蘇ってくると思う。

文/カーツさとう

カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。

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