ニャンコの爪を自分で切る方法【Dr.古江のお悩み相談室】
Dr.古江のお悩み相談室
家具を傷つけてしまう、引っかかれて痛い、というのが、ニャンコの飼い主さんに爪切りをお願いされる時の理由のほとんどです。爪切りだけで来院される方も多いですが、お家で爪切りができたら楽ですよね。今日はニャンコの爪の切り方をお話しさせて頂きますね。
まずは猫って爪を切る必要があるの??という根本的な問題ですが、これはケースバイケースです。お外に行く習性のあるニャンコの場合は、あまり爪切りはお勧めしません。これは、外で木に登ったりケンカになった時に爪が短いと色々困ってしまうからなんです。
お家の中だけで生活をするニャンコは、あまり爪が摩耗せず、どんどん伸びてきます。その状態で爪とぎをされると…家具がぼろぼろになってしまうんですね。伸びすぎるとうまく爪とぎができなくなり、肉球に刺さってしまうこともあります。
子猫は爪の出し入れが上手にできないため、悪気がなくても引っかかれると痛いですし、一緒に生活をしていくうえで切った方がいいケースと、猫自身のために切った方がいいケースがあるように思います。
後ろ足の爪は太くてカーブも緩やか
それでは次に猫の爪の解剖学的な構造について簡単にお話ししましょう。猫の爪は前足には5本、後ろ足には4本あるのが一般的です。猫にとっての爪は獲物を捕らえるための大事な武器ですが、獲物に忍び寄るときに足音がしては困るので普段はしまってあります。
前足の爪は獲物を押さえつけて離さないようにするために大きくカーブし、先端が鋭くとがっています。後ろ足の爪は猫の素晴らしい運動能力をサポートするべく、前足の爪よりも太く、カーブの具合も緩やかになっているんですよ。
猫の爪は2重の層構造になっています。内側の部分(クイック:quick)には血管・神経が通っており、その外側に古い爪がかぶさった形になっています。玉ねぎのような構造をイメージしてもらうといいかもしれませんね。そのため、猫の爪とぎは古くなった最外層の爪をはがして新しい爪をむき出しにするために行われます。
歳をとったニャンコが爪とぎをしなくなると、分厚い爪になってくるのはこのためなんですね。分厚くなった爪は先端を切るだけではなく、外層の爪をある程度はがしてあげる必要が出てきます。これはなかなかコツがいるので難しそうな場合は動物病院などで一度切ってもらうといいと思います。
いきなり爪切りにチャレンジしてみる前に普段からやっていただきたい事として、足先をさわられる事、さわる事にお互い慣れる様にしましょう。足先は敏感な場所なので、さわられるだけでも嫌がる子が多いため、普段からさわっておくことで恐怖心を少しでも軽くしてあげることが大切です。
爪切りを見せたり、実際には切らずに爪にあてるだけのエアー爪切りの練習もしておくと良いですよ。ただし猫はしつこいとイライラしてしまうので、嫌がり始めたらすぐにやめてあげることも大切です。「嫌なのにやめてくれなかった!」と思ってしまうともう二度とさわらせまい!と足をさわろうとするだけで暴れるようになってしまうこともあります。
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