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ウルトラ問題児ビッタの“食”

この物語は、ここ30年でノラ出身のネコを12匹保護し、一緒に生活し、ついに全員を看取った中年男の喜怒哀楽に満ちた日常の回顧録である。

“食”

ビッタのボケから始まったと思われる、食べ物への執着は、加速度的に激しくなっていった!
料理中に流しに登ってきては、料理の邪魔をするなんていうのはまだ序の口だった。

↑ビッタの不敵な感じが出でいるアップの写真を使わせていただきました。

とにかく人間が流しの前に立つと見るや、

「なにか食事の準備をするに違いないニャアアアアアア!!」と嗅ぎつけ、 アッと言う間に登ってくる。

料理もクソもなく、洗い物をしていても、「なにか出てくるに違いないニャアアアアア!」と、登ってきては、シンクの手前の細い部分あるでしょ? 淵っていうの?

シンクの。その淵に平均台の上の体操選手の如く陣取る。

人間が洗い物をする時って、その淵の上をまたぐように手をシンクの方に出して、食器を洗うワケ

だけど、洗い物をしている最中も、その出した両腕の下のシンクの淵の部分を右に左に行ったり来たりする。

ようするに洗い物をしている腕の下をウロウロウロウロしている。これは邪魔ですよ〜。フライパンの焦げつきを落とそうにも、力が入らないっすから。

やけに所帯じみた話書いてますけど、手をまっすぐ伸ばせないのね。ビッタが腕の下にいる分、ちょっと腕をアーチ状にするといいますか、肩の位置を高くして、ってことはちょっと背伸びするよう
な状態になって、そこから腕をグ〜ッと斜め下に向けて洗い物をしなきゃいけないわてです。

これが面倒くさいこと極まりない。

まぁこっちとしても、邪魔だから担ぎ上げて床に移動させたいんだけど(下に移動させてもすぐに登ってはくるんだけどね)、洗い物をし始めると手がビショビショなんで、ビッタを抱くわけにもいかず、結局は腕の下でニャアニャア騒ぎながらウロウロしているビッタに気を使いながら洗い物を最後まで完了させねばならない。

洗ってる最中に、ビッタが嫌がってシンクの淵から降りるかもしれないと思って、わざと洗い物してる時の水の飛沫がビッタに跳ねるように洗ったりもするんですよ。水がかかるのがネコにしみりゃ
イヤに違いないだろうから。

でも一向に気にしない。ちょっとやそっとの飛沫じゃ気にしないどころか、飛んできたことに気付いてすらいない。ここらへんはボケてるネコの強みだよなァ〜。

まぁこれが1日2回くらいあるワケですよ。

でもそれよりも大変なのは料理を作っている最中ね。これはもう地獄!

調理台に素材を置いた時には狙いだすんで、とにかく左手でビッタをカバーしつつ、右手のみで作業したりする。

そんな苦労をして一皿作る。でも、料理作るっていっても2皿や3皿は作るでしょ? 普通。となると、何品か平行して調理するんだけど、最初の一皿が完成しても、食卓になんか置けないのね。置
いたとたんに食べられちゃうから。

なもんで、できた料理は食べられないように電子レンジの中に隠す。なんで電子レンジは、調理器具なのに、調理中……特に調理の中盤以降は調理器具として使うというよりも、完成した料理の避難場所としての使われるという、電子レンジにしてみれば「オレの活用をもっとしてくれよ!」といいたくなるうような、“電子”不要な使われ方。

で、たとえば3品作るとすると、1品目と2品目は電子レンジの中、もしくは冷やしてもいいものは冷蔵庫の中に隠す。で最後の3品目が完成したらば、3皿同時に食卓に運ぶ。

運んだと同時に食卓に座り急いで食べ始める。

その時には当然ビッタも食卓にも登ってきて、

「喰わせろ喰わせろ喰わせろ!」と、皿に顔をツッ込んでくるので、それを防ぎながら、もはや格闘しながら急いで食べる。

もうユッタリと家族団欒……っつっても老夫婦二人ではありますが、夫婦で団欒しながら食べるなんてことは一切皆無!

食事中の会話というと、

「ビッタ、ダメダメダメ〜」なんてのばっかりである。

「おいしい」

なんていう料理に関する会話はもちろんない。唯一料理の関する会話といえば、「あ〜ビッタの毛が入ってるよ!」だけである。


↑「オレの毛ぐらい喜んで喰え!」(ビッタ談)

食卓にビッタが登れる隙間が食卓にないよう、食卓を皿で埋めつくすような作戦もとった。

しかし、ボケっていうのは強いね。平気でその皿の中に足をツッこんでくる。

ある意味ビッタの食への執着には感服すらいたしましたよ。

だがビッタのそんな感服せざるをえない食への執着は、食べ物だけにとどまらなかった!
文/カーツさとう

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カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。

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