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ウルトラ問題児ビッタの“老”

この物語は、ここ30年でノラ出身のネコを12匹保護し、一緒に生活し、ついに全員を看取った中年男の喜怒哀楽に満ちた日常の回顧録である。

“老”

ビッタの朝のオシリくっつけ攻撃にも慣れた。これはオレではなくて女房の話ではあるが、ともかく女房は慣れた。

慣れちゃっていいのか? という別問題もあるが、日常生活の為、仕方なく慣れた。これがネコと一緒に暮らすということである。

ネコの毎朝のオシリの臭い攻撃にも平然と生きる! これがネコと暮らすということなのだ!ネコとの生活は「カワイイね〜」とか言って、楽しくしてるばっかりではないということである。

いや! ネコに限らず、動物と暮らすということが“楽しいことばかりではない”ということは、マジメな話、これから動物を飼いたいなんていってる人は、絶対に知っておいてもらいたい。

動物と暮らすってことは、楽しいこともあるけれど、それ以上に辛いこともいっぱいある。それを覚悟して、動物が身罷るまで、自分も死なないで一緒に生きていくってことを自覚してもらいたい。

なんか急にマジメにエラソーなこと書いて申し訳ないけど。

話は元にもどりましてェ〜、だいたいのビッタの悪童っぷりにも慣れ、許容し、対応策も施した生活が続いた。

そのうち、ビッタも高齢になってきた。悪童の“童”なんて言葉がまったく似合わない、15才を超えた老猫になってきた。

↑かなりの老境に差しかかったころのビッタ。老いてる感じが毛艶などでわかると思う。

だいたいネコもこの年くらいになるとボケてくる。

人間でいう“認知症”ってヤツである。

となると、ネコに対して“介護”的なことも要求されてくる。またまたエラソーなさっきの話にちょっと戻るけど“動物を飼いたい”って今思ってる人は、そういうことも“ある”ってことも覚悟してください。

再び話を元に戻しましてェ〜、当然ビッタもボケだした。

ボケると色々な症状が出てくるけれど、ビッタで出た症状の一つ目は、異様なまでの食欲の増加だった。

人間でもよく聞くでしょ、食事した直後なのに「食事まだ?」なんて言い出すって話を。アレのネコ版というか、ビッタ独特版であった。

悪童といいましても、ビッタにだっていい所はいっぱいあって、その中でも特にホメていたのは、人間の食事に興味を示さないということだった。

過去にいたネコの中には人間の食事に、興味を持つコが時々いた。とはいっても、焼魚みたいな、いかにもネコの好きそうな匂いのする料理があると、人間の食卓に登ってきては、
「クレクレクレ!」と、焼魚の乗った皿に顔をツッ込んでくるというヤツ。

だからそういうコがいた時は、ネコに「焼魚食べたい食べたい!」と思わせるのも可哀相なんで、焼魚はウチの食卓からは一切消えた。

そう! またエラソーな話すると、ネコと暮らすということは、ネコによっては、焼魚も喰えないということである。鰺の開きなどもっての他なのである。

だが15才を過ぎたあたりから、急にビッタが人間の食事に興味を持ち始めた。

それも焼魚だけじゃなかった。

人間が食べるありとあらゆるものを、
「くれくれくれくれくれくれくれくれ!」と、とにかくしつこく食べたがるようになった。

食事中だけならばまだいい。調理中の素材からなにからなにまで、台所の流しに登ってきては、

「くれくれくれくれくれくれくれくれ!」と大騒ぎするようになった。

肉だろうが魚だろうが、一部野菜だろうがなんだろうが食べたがった!!

料理をしている流しでは当然包丁とかも使う。素材を食べようとするだけならばともかく、その包丁回りをウロウロウロウロするのも危険なんで、流しに登ってきたら即座に抱いて降ろすようにはしていた。


↑これは調理中ではないけれど、台所の流しのはしに登ったとこ。ボケてからは調理中以外もここに陣取ることが多く照っていた。

しかしビッタはボケているが足腰だけは人並み外れて……いや猫並外れて強靱だった。

抱いてビッタを床に降ろし、ホッとして流しのまな板に向かうと、すでにもうビッタはまな板の横にいるという、もはや瞬間移動としか思えないような素早さで、とにかく人間の食べ物を付け狙いだしたのである。

文/カーツさとう

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カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。

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