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たった一度の犬橇レース in レイクプラシッド冬季オリンピック

犬もオリンピックに参加したことがあった!
たった一度の犬橇レース in レイクプラシッド冬季オリンピック

2月9日からは平昌五輪(第23回オリンピック冬季競技大会)が始まり、2020年には東京での開催(第32回オリンピック競技大会)を控え、オリンピックに関連する話題を見聞きすることが多くなった今日この頃。

翻って犬と人とが一緒にできるスポーツは?というと、アジリティーやフライングディスク、ドッグマラソン、犬橇、バイクジョアリング、犬とのトライアスロン…など種々あり、アメリカにおいてはドッグフードメーカーであるピュリナ主催による犬版オリンピックとも言えるINCREDIBLE DOG CHALLENGEなる競技大会が20年にわたり開催されているそうだ(*1)。

ちなみに、その様子は以下の動画で見ることができる。

https://www.proplan.com/dogs/incredible-dog-challenge

しかし、そもそも本来言うところの“オリンピック”に犬が参加したことはあるのか?

これが実はあったのだ!

時を遡ること86年前の1932年。アメリカのニューヨーク州北東部にある雄大な山脈と湖に囲まれた村、レイクプラシッド(Lake Placid)にて開催された第3回冬季オリンピックで、デモンストレーションながら犬橇レースが競技として行われたという記録が残っている(*2, 3)。

当時の大会規則によれば、その競技大会を開催している国の固有の競技であり、かつ、オリンピックを組織しているそれぞれの国にとっては無縁である競技であれば、デモンストレーションを行うことが認められるとのこと。

犬橇レースはアメリカおよび北アメリカ大陸固有の競技であったことから、オリンピック委員会の承認を得て、犬橇レースとしては初のデモンストレーションが開催されることになったそうだ。

犬橇レースに参加した国は、アメリカとカナダの2ヶ国。13チーム(アメリカ8、カナダ5)が2月6日(土)~7日(日)の2日間にわたり、25.1マイル(約40.4km)のコースを2回走破し、そのトータルタイムで競われた。

マッシャー(犬橇の操縦者のこと)の中には、アメリカやカナダにおける名のある犬橇レースの優勝経験者や、歴史上、ある偉業を成し遂げた人物も含まれていた。

「バルト(Balto)」「トーゴ(Togo)」という犬の名を聞けば、犬好きの皆さんであればおわかりだろう。

1925年1月、アラスカのノーム(Nome)ではジフテリアが流行し、多くの命を救うため、血清を必要としていた。しかし、豪雪と悪天候で飛行機や列車での輸送経路が阻まれてしまう。そこで、最後の頼みの綱として、出発地点となったニナナ(Nenana)から通常犬橇では1ヶ月かかるという1000km近い長距離を、犬橇チームがリレー形式で輸送することになり、見事7日間で血清を送り届けたのである。

この時、最後の区間を走ったのがマッシャーGuuner Kaasen氏のチームで、リードドッグ(先頭を走る犬で、賢さや判断力、人や犬との協調性、タフさなど優れた資質を必要とされる)を務めたのが当時まだ3歳で経験も浅かったバルト。そして、もっとも長距離で危険な区間を走ったのがマッシャーLeonhard Seppala氏のチームで、リードドッグは経験豊富な12歳のトーゴが務めたと伝えられている(*4)。

特にバルトはこの偉業を称えると共に、勇気や希望、不屈の精神などのシンボルとして、後にニューヨークのセントラルパークにブロンズ像が建てられることになり、映画のモデルにもなっているのはご存知のとおりだ。

参考までに、下の動画では、そのブロンズ像の除幕式でのバルトと思われる犬の姿を見ることができるが、普段とは違う雰囲気に緊張してか、あくびをしている姿がなんとも凛々しくも愛らしい。

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