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“偽”のサービスドッグに「認知症患者」のためのサービスドッグ

ここ最近、犬のニュースを見ていて気になる言葉があった。それは、“偽のサービスドッグ”。

CBSニュースが報じたところによると、アメリカのボストンにおいて、サービスドッグの関係者たちが、“偽のサービスドッグ”を利用する(そうであると主張する)人たちを規制する法案作成について陳情運動を行ったというのである。なんでもアメリカでは十数州に同様の法律があるという(*1)。

そもそも“偽のサービスドッグ”とはなんぞや?とちょっと調べてみると、これが意外なほどにじゃらじゃらと出てくる。要は、“正規”のサービスドッグではないサービスドッグということなのだろうが、その辺の境界線と理解の仕方がどうも曖昧で、混同されている部分もあるらしい。

ちなみに、米国障害者法(the Americans with Disabilities Act / ADA)では、サービスアニマルの定義として、盲導犬や聴導犬、介助犬、発作や重度のアレルギーのような病気に起因する危険を探知して知らせる犬、外傷性ストレス障害(PTSD)のような精神的な問題(もちろん医師の診断があることは前提)を抱える人をサポートする犬などは対象となっているが、「癒しや情緒的なサポートを唯一の目的とする犬は対象外」としている(*2)。

その一方、航空アクセス法(the Air Carrier Access Act / ACAA)では、情緒的支援および精神医学的サービスアニマル(Emotional Support Animals / ESA)を、飼い主と一緒に飛行機に搭乗させることを許可している(ただし、それを証明する文書やハーネス、タグなどの確認が必要)。

このESAにあたる動物は本来のサービスドッグのような正規のトレーニングを受けていないことも多いため、周囲に危険を及ぼす可能性も懸念されるという意見が見られる。実際、2017年6月にはデルタ航空において、ESAであるという犬が隣に座っていた乗客に咬みついたという事件があったという(*4)。

また、ESAであることを証明する文書も想像に反して結構簡単に手に入る場合もあるらしく、サービスドッグ用のベストやハーネスもインターネットの通販で売られており、手に入れやすい状況にあることなどもあって、中にはESAを自称する人たちもいるようだ。

カリフォルニア州におけるサービスドッグの登録状況を調査(大きくは盲導犬・聴導犬・他のサービスドッグの3つに分類、1999年~2012年)した結果では、10年ほどの間で他のサービスドッグにあたる犬の登録数が爆発的に増え、中には10歳を超えて初めて登録され、サービスドッグとしては不適切では?と思われるようなケースもあり、法律の誤用や誤解が蔓延していると報告している他(*5)、ここ近年で飛行機に乗るESAの犬がとても増えたと言う航空関係者もいた。

そうした状況の中で、“正規”のトレーニングを受けているサービスドッグ、そしてその利用者にとっては影響を受ける部分もあり、法の整備をと望む声も出てくるということなのだろう。

そのような話がある一方では、オーストラリアのメルボルン大学において、若年発症性の認知症をもつ人、およびその介護をする人たちをサポートする犬の研究が進められているという。そのために、20頭の盲導犬が再トレーニングされているとか。(*6)。

この研究は来年(2018年)完了する予定だそうで、そうなればまた新しい犬の活躍ぶりを耳にするようになるのかもしれない。

いずれにしても、古代からつきあいのある人と犬との関係は、長い時を経て、より密になっているということだろうか。

参考資料:
(*1)Bill Would Penalize People For ‘Fake’ Service Dogs / CBS Boston
(*2)U.S. Department of Justice, Civil Rights Division, Disability Rights Section, ADA Requirements, Service Animals
(*3)Service Animals (Including Emotional Support Animals), Transportaion.govS. Department of Transportation
(*4)Emotional support dog bites passenger on Delta flight / AJC.com
(*5)Registrations of Assistance Dogs in California for Identification Tags / Yamamoto M, Lopez MT, Hart LA (2015) / 1999
2012. PLoS ONE10(8): e0132820. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0132820
(*6)Dementia dog study seeks to prove effectiveness of assistance animals / ABC

文/犬塚 凛

配信サイト:「ペットゥモロー」(小学館)
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