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~動物と共に素晴らしい生活を~ JAHA年次大会東京ミーティング市民公開講座レポート

来年で設立から40年、CAPP活動(人と動物のふれあい活動/Companion Animal Partnership Program)を開始してからはゆうに30年となるJAHA(公益社団法人 日本動物病院協会/Japanese Animal Hospital Association)(https://www.jaha.or.jp/)では、毎年、獣医師や動物看護師、CAPP活動ボランティア、一般市民向けの内容盛りだくさんな年次大会を開催しているが、今年もその市民公開講座にお邪魔してみた。

当日は生憎の台風の接近により、雨足の強い日となったものの、遠方からも多くの人たちが足を運び、その熱心さと思いこそがCAPPを始めとした活動を長く続けてこられた源でもあるのだろうと感じるところから市民公開講座はスタートした。

午前の部は各地でCAPP活動を行うチームによる活動発表、午後の部はアニマルセラピー講演となり、後者は小児病棟での活動、高齢者施設での活動、こどもに向けたR.E.A.D.プログラムの3本立てとなっている。今年の特徴は、各チームが実際の活動現場を撮影した動画を多用しており、より現場の様子がわかりやすい内容となっている。

過疎化が進む地域で地元に根差したCAPP活動

まず、CAPP活動の発表では、それぞれのチームがすでに14年、15年、それ以上と長く活動を続けていることに感心させられる。

島根県の池内動物病院を中心とした『チーム・ワンダフル』は、地元の成人知的障がい者生活支援センターでの訪問活動を続けているそうだが、当初は精神遅滞という障がいについてはもとより、利用者さんそれぞれの状態や個性もよく理解できておらず、戸惑いを感じながらも、活動を重ねるごとに利用者さんとの親睦も深まり、現在では町で出会うと立ち話に花が咲く関係にまでなったとか。

活動現地は限界集落も多い地域ということで、CAPP活動が地元に馴染んだ活動になりつつあることを感じる。動画に映し出された利用者さんたちは、みな楽しそうな表情に溢れ、たとえ動物が苦手な人であっても、自分なりに工夫して犬に近づこうと努力している様子も見られた。とかく知的障がいがある人の場合、世間との接点が希薄になりがちな中で、CAPP活動が、その“橋渡し”の役割も担っているようだ。

静岡県で活動する『サークル・ノア』には、母親と一緒に3歳の頃から活動に参加している幼いこどももいるという。以前、筆者は別の訪問活動の現場を取材させてもらったことがあるのだが、そこにも幼いこどもが参加しており、訪問先となる高齢者施設のご老人たちは、遠方にいてなかなか会えない孫たちを思い出し、その子に会えるのが楽しみだと話していたことを思い出す。訪問活動は、動物から得られるものもあれば、人から得られるものもあるのだろう。

訪問活動では、少しでも楽しんでもらいたいという気持ちが先行し、時に犬や猫たちに無理をさせてしまっているようでは残念なこと。香川県のKOKOどうぶつ病院を中心としたチームは、もっとも気を配っているのは犬たちへの負担であり、活動中はストレスサインを見逃さないようにし、犬たちに疲れが見られる時にはいつでも休憩できるよう、退避用のスペースも確保しているという。基本的なことながら、ハンドラーは自身の愛犬、愛猫、利用者、スタッフ諸々、広い視野をもって活動する姿勢が大切ということ。

熱心にCAPP活動を続ける人たちからは、各講演者に、猫の適性や病院内活動における安全性などについて質問も寄せられた。その質疑応答から得られたものは、今後、それぞれの活動のヒントとして活用されていくことだろう。

医療現場でリハビリの補助をするAAT

医療分野においては、身体の基本的動作や精神的機能向上を目的としたリハビリの手助けとして動物介在療法(Animal Assisted Therapy / AAT)を取り入れている病院もある。東京都清瀬市にある信愛病院では、2000年よりAATを導入。1チームが2~3ペア(ハンドラー&犬)で構成され、全6チームで交互に月3回、病院を訪問し、作業療法士作成のプログラムに沿ってリハビリのお手伝いをしているとのこと。

対象となるのは、もともと動物が好きな患者さんということもあって、犬とのボール投げやブラッシング、スカーフ結びなどを通して楽しさから意欲も増し、効果的にリハビリに取り組めるようだ。ただ、AATには医療効果が求められるため、単に穏やかな犬であればいいというわけではなく、医療関係者が望む行動ができる犬であることと、ハンドラーもそれにふさわしい人材ということになる。

活動前の打ち合わせでも、何が求められているのかを理解するだけの繊細さはハンドラーに必要であり、日本では医療現場で直接的に活躍できる場というのは多くはないことから、やりがいもひとしおのようである。

児童館での訪問活動は子どもたちに大人気

昨今では学校から帰宅しても家に誰もおらず、行き場がない、食事も孤食となるこどもが目立ち、そのための取組みもあちらこちらでなされているが、東京都杉並区のある児童館では、7年ほど前から動物介在教育(Animal assisted Education / AAE)の訪問活動を取り入れているという。

きっかけとなったのは、児童館に通う7歳になる女の子の「ここにも犬が来たらいいのにな…」という一言と、同児童館の指導員である金子いづみ氏が、自ら愛犬を連れて小学校の訪問活動をしていた際に、こどもらの自然な笑顔がとても印象に残り、児童館のこどもらにもその笑顔をと思ったこと。

児童館の場合、不特定多数のこどもが来ることから、地域の全校に告知をしたところ、断らなければならないこともあるほど多数の申し込みがあったそうだ。ADHD(注意欠陥/多動性障害)をもち、言葉や態度も乱暴で、キレやすかったあるこどもは、犬を抱っこした後にそれまで見たこともない優しい笑顔を浮かべ、最後に「先生、ありがとう」と言ってくれたことが、金子氏は何より嬉しかったと話す。

何らかの障害をもつ子がいる親の場合、時に笑顔が薄れがちになることもあるが、訪問活動により変化した自分の子の様子を目にして、親自身にも笑顔が戻るという相乗効果があるのは嬉しい、と金子氏。児童館での活動をもっと広げたいとも。

「こういう活動に参加する動物にはストレスがかかるのではないかと心配なさる方もいらっしゃいますが、これだけ長くボランティアをなさっている皆さんを見ていると、活動を重ねることによって、ペットに関する知識も増え、ご自分のペットに対する健康管理の意識も高まり、みな長寿で、ペットロスになることも少ないように感じます。1頭を見送ったら、次の命へとつないでいく。そんな知識をもった飼い主さんが増えるようにという意味も込めて、今後も活動を永く続けていければと思います」柴内裕子先生(赤坂動物病院総院長、JAHA相談役)

講演をはさんで、CAPP活動の功労者やフォトコンテスト入賞者の表彰式も行われた。

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