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たくさんの猫の中で育った犬は猫っぽくなる?【後編】

PETomorrow(ペットゥモロー)】

前編では生後3ヶ月から7年間猫に囲まれて育ってきたシーズーのしいたけ(♂)が猫化しているのでは…と不安に思っていた筆者。ヒューマン・ドッグ・トレーナーの須崎大さんによって、意外にもしいたけはちゃんと犬らしい犬であることが明らかになりました。引き続き、後編でも須崎さんに猫寄りだと思われつつ実は犬らしさ全開だったしいたけの行動について解説していただきます!


猫の気まぐれでしっぽを猫じゃらしにされてしまうしいたけ

Q. しいたけはお散歩がキライです。特に雨の日の拒絶ぶりときたら…(涙)。「なんで猫のみんなはお外に出ないのに、ぼくちんは出なきゃいけないんですか?」と言っているかのようです。

A. 外に散歩に行くことは“群れの移動”であり、そこに喜びを見いだせない、経験していない可能性があります。雨の日のお散歩が嫌いなのは、しいたけくんがそもそも水に触れあう犬種ではないことも理由の一つです。そして、お散歩に行って「排泄させなきゃかわいそう」と、お散歩が飼い主さんの義務になっていませんか? 飼い主さんが「雨の日の散歩は負担」などと思っていたら、犬にはダイレクトに伝わっていますよ。犬の感受性の高さが表れていてむしろ、犬らしい行動だと思います。

しいたけは猫に友好的なのですが、猫のちたんには「あっち行けよ~」と言われてる?

Q. しいたけは猫と仲が良いつもりでそばに寄っていきますが、猫からは犬だと認識されていて避けられています。

A. 犬と猫の生態は、真逆です。遥か昔、犬は獲物を得るために地上で群れをなす必要がありました。犬は縦社会、ピラミッド構造の社会を形成します。ほかの犬とコミュニケーションを取るとき、足を上げておしっこをする、蹴る仕草を見せるのは自分のニオイを目立たせるため。テリトリーを守るためのマーキングが必要なんです。

一方、猫は敵から身を守るために上へ上へと上がっていく傾向があります。テレビや車の上に乗るというのはその名残りです。それは、上の方が安心・安全だと思っているから。群れをなさず、ピン行動をするのが猫です。猫はそれぞれの“円”の中にいて、この外にいるほかの猫は平民扱い。猫もおしっこをするときに蹴ります(猫砂をかく仕草)が、これはニオイを隠すため。これらを総合して考えれば、猫たちがしいたけを避けるのは、ストレスを避けるためにもとても平和な光景です。


「ぼくちんも椅子に乗りたかったのですができなかったので乗せてもらいました~」

Q. 猫たちとおもちゃで遊んでいると、しいたけは輪に入ろうとします。猫たちが軽々とジャンプしている姿を見て自分もトライしますが、もちろん飛べず、「なぜぼくちんは飛べないのか」と不思議そうです。

A. 犬には協調性があります。ほかの子がやっていることを自分もやってみたい。やったら楽しいかな、ほめてもらえるかなと考えます。「ぼくができないのはなんで?」というしいたけくんがほかの子と比較する様子は、犬の祖先が群れをなし、周りに仲間がいたからこそですね。

なんと、やはりしいたけは猫っぽいどころか犬らしいことが証明され、飼い主としては一安心! 実は半年前から人懐っこくてよくはしゃぐ、いかにも「犬!」なトイプードルのメープル(3才、♀)を一時預かりしているのですが、メープルに影響を受けてかしいたけも一緒に飼い主を出迎えるなどの変化が出てきました。しかし、メープルはまもなく自宅へと帰っていきます。それでは須崎さんに最後の質問です。

家族が帰ってくるとフラダンスで歓迎するメープル

Q. メープルが帰っても、しいたけに現れた変化は変わらず継続しますか?

A. 犬にとっての半年は、人間でいうところの4~5年にあたるので、経験値を積むに十分な期間だと言えるでしょう。その間にプラスイメージの経験をしていれば、継続する可能性が強いですね。犬にとって究極にうれしいことは、好きなことをしたりおいしいものを食べたりすること以上に評価してもらうこと。「かわいいね、大好きだよ」もうれしいけれど、「こんなことができたね、すごいね」と対価をもらうことに喜びを感じます。

★須崎さんが提唱する犬との暮らしの楽しみ方★

犬との暮らしをどう楽しむかの可能性は無限大です。ご飯をあげたり、散歩や排泄ケアももちろん大切ですが、犬の性格や特長を見極めて接してあげれば犬がイキイキしてきます。

しいたけくんは7歳なので性格はそうそう変わらりませんが、何よりも注目してもらうことが彼の仕事。ほめてあげるとすごく喜ぶはずです。外でのにおいの交換でリフレッシュさせ、犬としての仕事を家族が与えることが大事ですよ。

教えてくれた人

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須﨑 大
(すざき だい)ペットゥモローの連載でもお馴染みのヒューマン・ドッグ トレーナー。DOGSHIP LLC.代表。実務経験と動物の行動学と心理学を学問してきた立場から、人と犬、人と人の相互関係をライフワークとして研究。互いの行動変容を促すコーチングを用いたトレーニングは、顧客満足度の高さに定評がある。また近年、社会人向けに「動物から学ぶコミュニケーション」をテーマに企業や自治体・ホテル等にて、講師としても活動を行なう。http://dogship.com/

取材・文/賀来 比呂美

配信サイト:「ペットゥモロー」http://petomorrow.jp/
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