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養老孟司と近藤誠のねこバカ・いぬバカ談義がおもしろい

「動物はいい、気持ちが休まって」「しぐさを見てるだけで、働く気が失せるよね。なんでオレだけが、働かにゃならんのか」「こう生きられりゃ、いいよなぁ」。

あ

「主人というより召使いとして、食事の世話に散歩、イタズラや粗相の始末…とにかく無心で実行するのみです」「添い寝でおねしょされてもカワイイ」「どの犬も性格が違うけどどんな性格でもかわいいっていう、いぬバカです」。

い

前者は東大名誉教授、解剖学者の養老孟司氏、後者はがん放置療法で著名な医師、近藤誠氏の発言。対談本『ねこバカ いぬバカ』(小学館刊)に記載されている。

養老まると、近藤ボビー

養老家のまる(スコテッシュ・フォールド)は数年前に写真集やDVDが発売されるなど、知る人ぞ知る有名猫だ。

う

一方、近藤誠氏が愛犬家であることはご存じない方が多いかもしれない。医学上の論争では、論敵に正面から挑むコワモテの印象が強い近藤氏だが、実はたいへんな“いぬバカ”だ。今、飼っている4代目のワンコ、ボビーは1才のボストンテリア。3代目のウェルシュ・コーギーは未熟児で生まれたため哺乳瓶でミルクをあたえて育て上げ、年老いてからは介護をし、亡くなる直前まで一緒に寝ていたという。

え

『ねこバカ いぬバカ』には、こんな両氏のほほえましいペット愛エピソードが満載である。時にはプッと吹き出して笑ってしまう話もある。しかしもちろん、辛口医学博士二人だけに、デレデレ“うちの子”自慢では終わらない。

人もペットも、寿命がのびてさぁ大変!

日本で飼われている犬猫は約2,000万頭。15歳未満の子どもの数より多いというから、あらためて驚きだ。そして高齢者が高齢ペットを飼うケースも増えている。愛猫の死から3か月後に95歳で亡くなった母の話から、「僕もまると寿命の長さ競争です」と養老孟司氏は語っている。一方、近藤氏は愛犬ボビーを連れて歩いていると、「その年でよく子犬を飼えましたね」と言われたことがあるという。

考えてみれば、健診、ワクチン接種、がん治療、介護、看取り、安楽死などは、いまや人もペットも共通の悩ましい問題と言える。

『ねこバカ いぬバカ』の見出しを拾っていくと、

・食べさせるから本人も介護も大変になる

・ペットのがん治療は、アバウトすぎる無法地帯

・愛するペットにできるだけの治療を?カモにされますよ

・最期は手をかけるほど苦しむ。自然に任せよう

・死とウンコを見えなくした現代社会

・愛犬が弱っていく姿を見かねて安楽死を考えた

・この抗がん剤、いつまで? あなたが死ぬまで

・「老い」は治らない。人間60才を過ぎたら、治療は命を縮めるだけ

・目を見ない、聞く耳を持たない医者が急増中

・ワクチンを打ったところに肉腫ができて、がんになる

・注射を足にするようになったのは、がんができたら切り落とせるから!

……医療や老病死に関する話題は、ペットのみならず人の場合も織り交ぜて、こんなふうに進んでいく。

ペットと幸せに暮らし、やがてペットを看取り、その死をどう受け止めるか。犬猫とのかかわりの中から、人の生き方・終末の迎え方が見えてくる。『ねこバカ いぬバカ』は、人生が豊かになる生き方を、日本の知性を代表する二人が語りつくした対談だ。

書店員さんからはこんなレビューが

お二人の会話に交じりたくなるような楽しい対談集でした。ただただ可愛いという思いから現実的な高齢介護まで幅広い内容で、最後まで興味をもって読むことができました。そしてもう一度イヌかネコを飼いたくなりました。(ジュンク堂書店三宮店 永田さん)

近藤先生は挑発的なタイトルの医療本をだされているので、気難しい方なのかなと思っていましたが、この本を読む限りでは、すごく優しそうで、近藤先生のイメージが変わりました。猫を飼っているのですが、完全室内飼いなのになぜこんなにイヤがる猫をひきずって毎年ワクチンを打ちにいかなければならないのだろうと常々思っていたんですが、そういったことにも触れていて興味深かったです。(MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店 尾山さん)

本音だけの真剣勝負!!“愛”にあふれた奇跡のコラボ!!このとてつもない愛情は、どんな山よりも大きくどんな海よりも深い。ペットはもはや家族以上の存在でむしろ自分自身の分身なのかも。ユーモラスに時にはシリアスに…二人の巨匠の素顔が伝わる貴重な一冊だ。エピソードの数々に楽しまされながら、ペットの社会問題についてもおおいに考えさせられた。(三省堂書店神保町本店 内田さん)

養老孟司さんと近藤誠さんの惜しみない愛情が伝わってきました。ペットとの付き合い方について、お医者さんならではの意見がとても参考になりました。人間と同じように、ペットも高齢化の時代を迎え、どうしたらいいのか疑問が浮かんだら、まずこの本をおすすめします。まるちゃんとホビーくんの可愛い写真と愛情たっぷりのエッセイに癒されました!お二人のご自身の家族のお話も心に染みました。(MARUZEN名古屋本店 竹腰さん)

関連情報

『ねこバカ いぬバカ』小学館刊/養老孟司、近藤誠 著

ねこバカ カバー帯 軽

http://www.amazon.co.jp/dp/4093884072

文/小澤洋美

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