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広がりを見せる「動物介在プログラム」の実態

老人ホームや病院、障害者施設、学校などを訪問する動物介在プログラム*は各地で行われており、30年ほど前に日本にも導入されて以来、少しずつ広がりを見せてきた。アメリカにおいてはより活発な活動が行われており、その人気も高まっているという。

そのアメリカにおいて、タフツ大学の人と動物との相互関係研究所(Tufts Institute for Human-Animal Interaction)が、動物介在プログラムを取り入れている同国内の病院と高齢者施設、そしてセラピーアニマルを扱う団体について、それぞれが活動を取り入れる、または活動を行う際に、欠くことのできない動物の健康や行動に関するポリシーをどのように設定しているかを調査したそうだ(*1)。

その際、アメリカン・ケネル・クラブ・セラピー・プログラムのような全国的な組織、またはそういった組織に加入しているグループは、ポリシーについては容易に内容を確認できるため、調査からは除外されている。

それ以外にあたる45の病院、同じく45の高齢者施設、そして27のセラピーアニマルを扱う団体からの回答を集計した結果には次のようなものが見られる。

まず、動物介在プログラムを取り入れる病院や施設について。

動物介在プログラムに関して、何のポリシーも作成していないという病院が4%あり、高齢者施設では22%となる。また、セラピー活動をする動物に関して、最小限の書面での健康記録しか要求しないという病院が16%で、高齢者施設では40%。そして18%の病院、および2%の高齢者施設では盲導犬や介助犬のようなサービスアニマルのみを許可しており、セラピーアニマルについては許可していないという結果になった。

次にセラピーアニマルを扱う団体については以下のとおり。

動物介在プログラムに参加するにあたり、その動物に対して事前に動物病院で検査を受けることを要求している団体が74%であり、24%は検便を特に必要としておらず、7%は狂犬病予防ワクチンを要求していない。また、動物介在プログラムに参加する動物の食事が生食メインであった場合、それを70%の団体は許可しているが、19%は禁止している。

生食は、カンピロバクターやサルモネラ、クリプトスポリジウムなどのバクテリアが混入している可能性が高くなる分、人と動物との何らかの感染の問題を考えた時、免疫が無防備状態の人にとってはリスクが高くなるとのこと。

そして、参加動物の行動に関しては、33%が基本的なトレーニングができているか、もしくはアメリカン・ケネル・クラブのケーナイン・グッド・シティズンの証明書をもっていれば十分としているが、残りの団体は動物介在プログラムを実行するにあたってのさらなる条件を必要とし、行動テストが必要だとする団体の52%は定期的な再テストを要求している。

調査対象の件数が少なめであること、各施設からは既存の動物介在プログラムに関する安全対策ガイドラインに基づいた回答は得られていないこと、今回の調査では動物福祉にはスポットをあてていないことなどから、調査内容はまだ不十分としながらも、研究者らは、「各施設のポリシーには幅があり、推奨ガイドラインに沿っていない施設が多い。動物介在プログラムを通した効果を得るには、人と動物双方の健康と安全を確保することは、何より最優先事項である」としている。

ちなみに、アメリカにはアメリカ獣医師会(American Veterinary Association / AVMA)が作成したガイドライン(1999年作成、2015年に更新)や、アメリカ保険医療疫学協会(Society for Healthcare Epidemiology of America / SHEA)によって作成されたもの(2015)、タフツ大学の人と動物との相互関係研究所によるマニュアルなどが存在するそうだ。

これは海外の事情であり、日本の動物介在プログラムに直接的に関係するものではないが、活動をするにあたって、それぞれのポリシーを再確認または再考するきっかけとなり得るものではあるかもしれない。

*動物を介在させた活動には、①QOL(生活の質)の向上やレクリエーションなどを主な目的とした動物介在活動(Animal Assisted Activity / AAA)、②医療従事者の主導による治療の補助的要素としての動物介在療法(Animal Assisted Therapy / AAT)、③子どもを対象に、動物とのつき合い方や動物について学びながら命を育む心を育てることを目的とした動物介在教育(Animal Assisted Education / AAE)などがある。

参考資料:
(*1)Could Therapy Animal Visitation Pose Health Risks at Patient Facilities? / Tufts University, Tufts Now, News Releases (2017.6)

文/犬塚 凛

配信サイト:「ペットゥモロー」(小学館)
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