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【青山尚暉のワンderful LIFE】マリアの十戒(6)

第十一章『マリアの十戒(6)』

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【青山尚暉のワンderful LIFE】

6.飼い主がどんなふうに私に接したか、私がそれをすべて覚えていることを知ってほしい。

マリアは繁殖場で生まれ、2歳半まで犬社会の中で暮らしていた。家庭犬じゃなかったから人間からなにも教えてもらうことなどなかったし、犬同士のけんかやいじめが日常茶飯事だった。

鹿児島の繁殖場時代、人間(経営者)は犬同士がけんかをすると大声をだしたり、たたいたり、つないでいる鎖を短くしたりして犬たちを苦しめることしかしなかった。マリアたちはいつの間にか抵抗することをあきらめていたんだ。マリアがほかの犬より警戒心、恐怖心が強いのは、そんな環境で成犬まで育ったからだと思う。

この家の子になって5年近くたったころでも、いろんなことがトラウマ(心的外傷)として残ってた。雷や大きな音が特に苦手。家の中にいてもブルブル震えてよだれがダラダラでてしまう。パパやママは「大丈夫よ」と言ってやさしく撫でてくれるけど、こればかりはなかなか克服できない。来たころよりひどくなってパパやママを悩ませたり。


雷は大の苦手。こんなふうにテーブルの下とかに隠れてしまいます。鹿児島時代、大雨や雷の被害にあったんでしょうね。

マリアはしかられると怖くて固まってしまう子だから、パパやママは決してきつくしからない。きっとマリアなりに理由があると思ってくれるんだ。先代のアニマルセラピー犬、犬のしつけ教室のモデル犬としても活躍したゴールデンレトリーバーのナナ先輩を育てたときと同じようにはいかなくて戸惑うことも多いみたいだけど、パパやママは今できなくてもいつかはできるようになると信じて接してくれているんだと思う。

そんな家族に恵まれてマリアは幸せだとわかってるけど・・・幼少のころ経験した恐怖の記憶はなかなか消し去ることができないんだ。

パパやママはいつだってマリアの世話を忘れない。休日になると1日中、話しかけてくれるし、さわってくれる。日々何ひとつ不自由なく過ごしていられる幸せを決して忘れない。パパやママがマリアにしてくれたすべてに、この家の子になって良かったことに、心から感謝してる。


マリアのお誕生日旅行。箱根の森の中のコテージでプレゼントをいっぱいもらった。忘れてないよ。

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