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動物がいるからこそ伝わること、学べること『動物と子どもシンポジウム』レポート

動物がいるからこそ伝わること、学べること

『動物と子どもシンポジウム』レポート

『特定非営利活動法人動物愛護社会化推進協会(HAPP)』では毎年春と秋に興味深いテーマの公開シンポジウムを開催しているが、5月27日に東京大学弥生講堂で開催された最新のシンポジウムでは、『動物と子ども』をテーマに、犬・馬・牛との関わりを通した4つの講演があった。

“動物+音楽”で人と動物とのつながりを伝えたい

その前に、会場を和やかな雰囲気に包んだのは、『特定非営利活動法人みゅーまる』のメンバーによるミニコンサート。


『劇団四季』でミュージカルの舞台に立っていた花岡久子氏(向かって左)と岡本和子氏(右)が美声を披露。現在は、元劇団四季のメンバーや、音楽・舞台関係者などが中心となった『みゅーまる』を立ち上げ、音楽劇による動物愛護の啓蒙や、音楽療法と併せた動物介在活動など、“動物+音楽”に主眼を置いた活動を行っている。


児童文学作家今西乃子氏の作品を題材とした「ゆれるしっぽ」(写真:浜田一男氏)という音楽付きの写真紙芝居も。舞台経験者ならではの感情豊かな朗読に、来場者も聴き入っていた。

“学校犬”がいる小学校 – 子どもたちに与えるものは“楽しさ”と“前向きな姿勢”

まずは、学校での教育に犬を取り入れた立教女学院小学校(東京都)の吉田太郎教頭の講演である。同校が動物介在教育をスタートさせたのは2003年のこと。その様子は某犬雑誌に連載されていたので、ご存知の方も多いことだろう。

同校が“学校犬”として犬を導入するきっかけの一つになったのは、不登校となったある児童の、「学校に犬がいたら楽しいのになぁ…」という一言だったそうだ。加えて、死んだ昆虫を見つけてはお葬式ごっこを繰り返す子どもたちに、命の大切さをどう伝えたらいいのか?と考えた時、犬の力を借りることにしたのだという。

そうしてやって来たのが、初代学校犬となったバディ(エアデール・テリア)。バディを中心にして円になって座り、「犬とはどういう動物か、観察して絵を描こう」という授業では、子どもたちがバディの耳の中からお尻の色まで実に細かなポイントをおさえた絵を描く。

学校犬は運動会や遠足、宿泊キャンプなどにも同行。規定が変わるまでは、バスにも同乗していたそうだ。遠足やキャンプでは、歩くのがきついと言う子どもも、バディが一緒なら元気に歩くことができる。

「現在、アクティブ・ラーニング(自ら能動的に学ぶ)ということが教育現場では叫ばれていますが、まさに本物を目の前にすると、学びたい、知りたい、触りたいという意欲につながり、子どもたちは俄然やる気が出るということがわかります」と吉田教頭。

中でも子どもたちに大きな刺激となったのは、バディの出産であったと。エコー検査でお腹の子犬をチェックする際にも、子どもたちはガラス窓超しに見学をし、一つの「いのち」の中に新たな「いのち」が育まれている様を目の当たりにする。そして、子犬が産まれてからというもの、吉田教頭は自分の車にバディと子犬11頭を乗せて、2ヶ月間、毎日学校に通ったそうだ。それだけで体重が6kg減ったという話には会場から笑い声が漏れる。

そんなバディ母子に対し、職員室の隣には専用ルームが設けられ、子犬にお乳を与える様子を見られるだけでなく、6年生たちは当番制でミルクやトイレの世話をする。最初はただ子犬可愛さだけだったものが、それを経験するにつれて、「子育てって大変だね、お母さんって大変だね」という感想に変わり、思春期で親とすれ違いがちな子どもたちにもいい影響を与えたという話だ。

残念ながら、バディは2015年にその生涯を閉じたが、現在はバディの姪にあたるベローナ、東日本大震災の被災犬であるウィル(イングリッシュ・セッター)とブレス(ポインター系ミックス)、そしてアイメイト協会から来たクレア(ラブラドール・レトリーバー)の4頭が学校犬として活躍している。


初代バディから始まり、同校での動物介在教育はすでに15シーズン目を迎える。

バディが亡くなった時には、礼拝堂で行われたお別れの会に、子どもたちはもちろん、たくさんの人が参列したそうだ。誕生、生の営み、死というものを間近に体験した子どもたちの心には、確かなるバディが残した足跡があると思える。写真1枚1枚に写る子どもたちの目はキラキラと輝いており、それを証明しているかのようだ。

バディに始まった学校犬による動物介在教育は、今年で早15シーズン目を迎えるという。それだけ長く続けられたということについて、吉田教頭は、「学校犬の存在が子どもたちにとって大切だと共感する周囲の人々の理解と協力があったからこそ」とおっしゃる。何より、子どもたちが学校を“楽しい”と感じることができる、それがもっとも意味あることなのではないだろうか。

小学校で闘牛の世話をする子どもたち

続いては、小千谷闘牛振興協議会(新潟県)の間野泉一会長による講演である。小千谷市立東山小学校は、2002年に近隣の3校が統合する形で開校されたということだが、その際に、子どもたちの総合学習の生きた教材として導入されたのが闘牛の“牛太郎”。


『越後牛の角突き』の興行案内チラシ。牛太郎と子どもたちの関係は15年続いているという。

全国で6県(沖縄・鹿児島・愛媛・島根・新潟・岩手)9ヶ所に闘牛が現存する中で、小千谷の闘牛は“牛の角突き”と呼ばれ、新しいものであっても滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」にある記述というほど地域の伝統行事として古い歴史があり、国指定重要無形民俗文化財にも指定されている。他地域の闘牛とは異なり、勝敗は決めずに、引き分けで終わらせるのが特徴だそう。

毎年5月~11月まで、月に1回開催される興行期間中、毎週水曜日には3年生以上の子どもたちが牛舎に出かけて世話をする牛太郎タイムというのが設けられているのだとか。今年の春場所にも子どもたちが牛太郎とともに参加出場したそうで、シンポジウム会場に展示されていたパネルには、法被を羽織り、きりりと鉢巻をしめた男の子が、颯爽と巨体の牛太郎を牽いている姿があった。そうして育てられた牛太郎は、入学式や運動会、文化祭、卒業式などにも参加し、学校犬ならぬ学校牛になっている。

現在は2代目牛太郎になっているが、特に先代の牛太郎は穏やかな性格で、子どもたちのみならず、町中の人気者だったらしい。「動物と子ども」というと、犬や猫といったペット系を連想しがちだが、地域に根付く伝統を通しての動物とのつながりもあるのだということを改めて思い起こさせてくれる講演だった。

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