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【青山尚暉のワンderful LIFE】崩壊した繁殖場でのマリアの記憶(2)

第七章『崩壊した繁殖場でのマリアの記憶(2)』

鹿児島の記憶-その2

マリアの話は続きます。

「Mさんがマリアたちの存在を知ったころ、実はMさんはべつのボランティアにもかかわっていたの。限られた時間の中で二つの現場を掛け持ち、夜は支援してくださる方々へメールの返事や、犬たちの写真で作ったはがきでお礼を書いたり、自身のブログを更新したりと、寝る時間もままならない状況だったらしい」


Mさんは忙しいなか、繁殖場で撮った写真をはがきにして、支援者へお礼の手紙を書いていたそう。これはまた、犬たちからの感謝を伝える意味を持っていたように思います。

「別の現場の飼い主は、最初は捨てられた犬、猫の保護から始まったらしいけれど、善意のはずなのにちゃんと世話をせず、犬、猫を小屋にも入れないくらい短い鎖につなぎ、気にくわないと大声で怒鳴り、棒で殴ったりして虐待していたそうよ」

「Mさんがボランティアとして保護しなければ、その犬や猫たちは死んでしまったかもしれない。犬は雑種9頭、猫10数匹。病気をしても病院にも連れて行ってもらえず、命が途絶えることもあったみたい。避妊手術をしてもらえないので子供が増えて、状況はさらに悪化。マリアたちがそうだったように、この世に生を受けたのに生きている幸せも知らず、何の楽しみもなく、ただただ生きているそれだけの日々だったに違いないわ」

「一緒にお手伝いをしてくれた数人の若い女性ボランティアの中にSさんもいたそうよ。マリアたちもMさんSさんたちが来てくれるのが何よりの楽しみだったの。その子たちもきっと同じだったと思う。ある日のMさんのブログにはこう書いてあった」

鹿児島でお手伝いしてくれる方が増え、現場の犬猫のためにしてあげられることも増え、犬猫の笑顔をたくさん見ることができるようになりました。すべて皆さんの支えがあったからこそです。私1人ではなにひとつできていません。

そして、現場の犬猫と過ごすたくさんの楽しい時間と、よい思い出までたくさん頂きました。皆さんには、心から心から感謝しています。

いつかこの活動をやっていて良かった。と心から喜べる日が来るように、犬猫の幸せな姿を見届けられる日を迎えられる様にこれからも精一杯頑張っていきたいと思います。

この4年近くの間に犬猫も年をとりました。1日でも早く現場から連れ出し、愛情ある家庭で家族として迎えてもらいたい。そんな一心でいろいろな愛護団体の方へ相談と協力のお願いをしてきました。誰からも名前も呼んでももらえず過ごしてきた子はいつも誰かに触ってもらえるのを待っていて、それだけを楽しみに過ごしていたのです。

これは私の感想でも意見でもなく事実です。好きでやっていること。自分で始めたこと。だから頑張っていこう、と決めました。

やめたい、と思ったことは数えきれません。でも、待っている犬猫の姿がまぶたに浮かび、私たちが来ることを喜んで待っている子を裏切ると思うと涙が出てしまいます。そして飼い主さんがどうであれ、現場の子を見捨てられません 。

「 動物たちの幸せだけを願い、いろいろなことを犠牲にし、いろいろな困難に長い期間立ち向かっていった若い女性たち・・・。そして4年間にも及ぶボランティア活動のかいあって、現場の犬たちは、新しい飼い主に家族として迎えてもらったの。マリアのママやパパはそれを読んで自分に何ができるか考えたそうよ。そうして鹿児島時代のマリアたちのような不幸な犬の里親になることを決心したみたい」

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