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はじめてのお散歩【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

柴門ふみの50過ぎて犬を飼う(5)

はじめてのお散歩

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生後六か月を迎えたリンコは、本格的なお散歩を始めることにした。

幸い、ウチの近所には井の頭公園がある。

「慣れさせるため、まずは抱っこして公園をぐるりとしてみてはいかがでしょうか?」

ドッグトレーナーのアドバイスに従って、とりあえずリンコを抱っこして、公園に来てみた。季節は、春先である。

犬、イコール、散歩である。

なぜ犬には散歩が必要なのか?

運動不足の解消はもちろんだが、それ以外にも、人や他の犬とコミュニケーションが取れる犬に成長させるため、というのもあるらしい。

どうせなら、みんなから愛される犬に育てたい。そのため、幼いころから人馴れ・犬馴れしておくといいそうなのだ。

私に抱っこされたリンコは、初めて見る外の風景に目をキョロキョロさせていた。

「可愛い!コーギーですね」

すれ違う通行人も声をかけてくれる。

そこで、少し公園内を歩かせてみることにした。リンコ、初めての散歩である。

私の頭の中には、リードで繋がれた犬を引き連れてさっそうと走る自分のイメージが出来上がっていた。

ところが、リンコは全く動かないのである。

「あれれ?」

リンちゃんどうしたの?と声をかけると、いきなりぴょんぴょん駆け出した。仔犬に引っ張られように、私もダッダッと後から走る。と、思うと急にピタッと止まる。が、すぐにぴょんぴょんを始める。

ぴょんぴょん、ダッダッ。を繰り返しているうち、ふと私はリンコの足元に何かが落ちていることに気づいた。

「走りながら、ウンチをしている!」

生後六か月の仔犬は、まだ充分に排便をコントロールできないのだ。そのため、少量の便を走りながらまき散らしていたのだ。

が、短い時間の抱っこ散歩のつもりだった私は、紙もビニール袋も持参していなかった。

そのため、ポシェットの中に鍵と一緒にいれてあったハンカチ(結構高級)を取り出してウンチを包み、それをぶら下げて家路を急いだのであった。

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