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犬との幸せな時間のために生きている【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

柴門ふみの50過ぎて犬を飼う(17)

犬との幸せな時間のために生きている

公園で観察すると、朝夕犬の散歩を行っているのは、圧倒的に「お母さん」が多い。

土日は「お父さん」の姿も見かけるが、平日は圧倒的に中年女性だ。華奢な中年女性がゴールデンレトリバー2匹を引き連れ、なんてこともある。

まあ時間的に朝夕二回犬の散歩を行えるのは、主婦か自営業ぐらいだろう。リタイアした男性も最近はちらほら増えてきてはいるが。

「犬を飼いたい」

と子供が言い出す。

「自分で世話できるの?」

母親が確かめると

「できるもん!ゴハンもあげるし、お散歩だってするから」

ところが結局は子供がやらずに、母親がすべて引き受ける、というのが一般的な家庭での光景である。

私自身小学校低学年の時ペットが欲しくて、猫、リス、柴犬、小鳥、を親にねだったのであるが、結局世話はすべて母任せとなっていた。

そのため3年前にリンコを飼うことにしたとき

「母と同居はしているが、もはや85歳で犬の世話は頼めない。私一人でまっとうできるだろうか?」

と、実は不安だったのだ。

ところが実際に飼い始めると、犬の世話が楽しくて仕方ない。トイレの始末もブラッシングも何の苦でもない。むしろ、それらの作業が嬉しくてたまらないのだ。

犬に見つめられると、あまりの可愛さに思わず抱きしめてしまう。抱きしめたまま犬の体に顔をうずめると、その匂いやぬくもりにくるまれて身動きとれなくなってしまうのである。幸せすぎて。

私っておかしいんじゃないの?と思い始めた最近のある日、ひとつの新聞記事が目に入った。

「愛犬と目があったら幸せな気持ちになるー実はこの感覚、飼い主の勘違いではない」(朝日新聞5月24日朝刊)

記事によると、飼い主と犬が目線をあわせると「オキシトシン」という幸福ホルモンの濃度が上昇することが最近の研究でわかったという。オキシトシンは、人間の母親と子供の間でも生じる。つまり犬と飼い主は、人間の子供と母親の関係性にとても近いということなのだ。

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