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だから犬は面白いのである【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

柴門ふみの50過ぎて犬を飼う(16)

だから犬は面白いのである

リンコを連れて朝夕二回同じ公園を散歩するため、随分と顔見知りが増えた。

犬好きの人とは会話を交わすことも多く、「コーギーのリンコちゃん」は今ではちょっとした公園内の有名犬である。

「リンちゃ~ん」

遠くからこう声をかけられることも、しばしば。そしてその呼びかけにリンコも、

「あたしのことね、なあに?」

という表情で首をぐるりと回し、声の持ち主を探すのである。

ある日の夕方。いつものコースをリンコと散歩していたときのことである。

「リンちゃ~ん!!」

突然大きな声で呼びかけられた。女性の声だ。いつものように顔見知りの人が声をかけて来たのかと、私はあたりを見回した。リンコも首を振って周囲をうかがう。すると、

「もう帰るわよ~~!」

「はーい」

母親と思しき女性の呼びかけに応えて、3~4歳の女の子が林の中から駆け出してきたのだった。

ああ、リンちゃんて名前の人間の女の子だったのね。私は納得した。それからおもむろにリンコの方を見ると、まるで漫画のお手本のような「ありゃりゃ」顔で私を見上げているではないか。この瞬間私たちは間違いなく「勘違いしちゃったねー(苦笑)」という感情を共有していたのである。

犬にはどのくらい感情があるのか?

「叱るとションボリする」
「粗相をしたあと、気まずい顔をする」
「嬉しいと瞳をキラキラさせる」

これらの表情は、人間の子供とほぼ同じである。表情だけではない。びっくりするとフリーズしてしまうところも、人間と同じだ。

よく、犬は飼い主に顔が似て来ると言われる。そんな馬鹿なと思っていたが、犬と暮らして体験や感情を共有することによって、表情が似て来るのもむべなるかなと、そんな風に私はだんだん思えるようになってきている。

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