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これって、もはや犬中毒かもしれない【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

柴門ふみの50過ぎて犬を飼う(13)

これって、もはや犬中毒かもしれない

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知人のイラストレーターのブログを読んでいたら、

「自分の中の、愛おしいという感情を確認するために、犬の耳の後ろにそっと唇を当てる」

という言葉を文中に見つけ、まさにその通りだわと、思わず私は膝を叩いたのだった。

犬の耳の後ろ毛ぐらい、その繊細な柔らかさで人をうっとりさせてくれるものはこの世にない、と私も思っている。

リンコの耳たぶの後ろに鼻を押しつけ犬臭さを堪能しつつ、密集した産毛の感触を頬や唇で感じ取るとき、私の体の芯から「愛おしさ」が爆発的にこみ上げてくる。

こうなるともう骨抜きで、他のことなど何もしたくなくなる。仕事も家事も放ったらかし。

「これって、もはや犬中毒かもしれない」

最近私は、そんな風に思うようになっている。

元々、ファー好きではあった。ラビットやフォックスの襟巻が大好きで、若いころはよく首に巻いていた。しかし、毛皮にされる動物のことに気づいてからは、フェイクファーで毛皮の感触だけを楽しんでいた。

リンコが家に来てからは天然毛を思い切り撫でまわすことができるぞと、楽しみにしていたのだった。しかし子犬は暴れてなかなかじっくり撫でさせてはくれない。しかもなぜかしょっちゅう後ろ足で体を搔き続ける。

気になって背中の毛をかき分けてみると、赤いブツブツが出来ているではないか。

そこでさっそく動物病院に連れ行ったところ、

「毛穴に皮脂が詰まってブツブツになっていますね。こういう子は、一週間に一回、シャンプーして毛穴を清潔にしてあげてください」

と医師から言われたのである。

以来、夫か娘の手を借りて週に一度リンコをシャンプーするのが私の日課になった。

そのため、

「リンコちゃんはいつも毛が真っ白で、キレイねえ」

公園で出会う犬友からは必ず声をかけられていた。

しかし、色はキレイなのだがなんだかゴワゴワしている。

「これでは、フェイクファーの手触りに負けているではないか?コーギーの毛ってそんなものなのかしら?お友達のゴールデンの毛はあんなにフワフワなのに」

私はどこか訝しく思っていたのだった。

ところが、リンコが2歳を過ぎたころ、前とは違う動物病院に狂犬病の予防注射に行った時のことである。

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