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なんでコーギーだったんですか?【柴門ふみの50過ぎて犬を飼う】

そうやって絞っていくと、ビーグルかコーギーが残った。かなりビーグルに心が動いていたのだが

「ビーグルは土を掘り返す習性があって庭を滅茶苦茶にされる」

と聞かされ、躊躇していた。

そんなとき、近所のペットショップでリンコに出会った。

目がクリクリ、ほどよい毛の長さ、鼻もちゃんと前方に突き出ている。おまけに赤ちゃんだったせいか耳が少し下に折れていて「百一匹わんちゃん」の仔犬にすこぶる似ていたのだ。

「これぞ私の理想のワンちゃんだわ!」

生後三か月のリンコを見たとたん、私は即決したのだった。

「この子をウチの子にしよう」

と。

ところが成長するに従い、やがて耳はピンと立ち、胴がどんどん伸びて(しかし脚は伸びず)、理想のワンちゃんからどんどんかけ離れてきたのだった。

おまけに家じゅうの家具・柱に噛み付いてぼろぼろにするは、散歩に出ると拾い食いするは、途中で地面にひっくり返って動かなくなるは。

「こんなに扱いにくい犬種だったとは・・・!」

私はがく然としたのだった。

しかし、

「こんなだったら、トイプードルかビーグルにしておけば良かった」

とは決して思い浮かばなかった。

「理想とはかけ離れた犬生活になったけれど、やっぱりコーギー以上に可愛い犬種は他に思いつかない」

そんな私になっていたのだ。

これって、恋に似ている。理想とは違ったけど、付き合っているうちに世界で一番愛おしい相手になっちゃった。と、つまりそういうことなのである。

ネットを通じて、世界中にコーギーマニアがいることもわかった。彼らがアップするコーギー動画を見るのが、現在私の最高の癒しになっている。

しかし不思議なもので、コーギー愛が高まると、他の犬種のワンちゃんにまで愛情を振りまくことができるようになったのである。

以前は遠巻きにしていた大型犬にも小型犬にも鼻ぺちゃ犬にも、私は顔を近づけて撫でたり抱きしめたりできるようになったのだ。

溢れる愛とは、それを一つの対象に注ぐと枯渇するのではなく、さらにとめどなく湧き出て来るものなのだなあと、私は思い知ったのである。

文/柴門ふみ

漫画家、エッセイスト。
1957年徳島市生まれ。
代表作「東京ラブストーリー」「あすなろ白書」「家族の食卓」など。
現在夫、愛犬リンコ(3歳)と共に東京武蔵野市に住む。

配信サイト:「ペットゥモロー」(小学館)
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