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老化と間違えやすい病気!甲状腺機能低下症とは?【Dr.古江のお悩み相談室】

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おうちのワンコも10歳を過ぎ、なんだか最近、歳を取ったなぁ・・と思うことはありませんか?

以前と比べて毛が薄くなったり、散歩に行ってもなんとなく動きが鈍く、歩きたがらない、冬には寒がってお散歩自体を嫌う。そのせいか、食餌は前と同じ量なのに体重が増えていく。若い頃はどんなに寒くても大はしゃぎでお散歩にいっていたのに・・・。顔つきをみるとどんよりと覇気がない。
でも、歳だからしょうがないよね。

飼い主さん、ちょっと待って下さい。それは本当に歳のせいだけでしょうか?もしかしたらそれは病気のサインなのかもしれませんよ。

さて、単なる老化なのか、そうではなく病気が隠れているのか?初期には老化と間違えてしまう病気とはなんなのでしょう?

それは、甲状腺機能低下症という、甲状腺のホルモン不足から生じる疾患です。甲状腺という部分から分泌されるべきホルモンの量が減ってしまうと、上記のような様々な異常が現れてくる事が知られています。

そもそも甲状腺から分泌されるホルモンは、代謝を司るホルモンなので、そのホルモンが不足するということは代謝が落ちるということなんですね。代謝が悪くなるとどうなるか?ちょっと考えてみてください。代謝が悪くなるので、エネルギーをあまり使わなくなります。なので、今まで通りの食餌をしているのに体重が増加していきます。簡単にいうと太っちゃうんです。

また、代謝が悪くなることで、新しい毛が生えにくくなったり、熱を発生させるエネルギーの不足で体温が低下してしまい、寒さに弱くなったりすることが挙げられます。その他にも心臓の拍動も遅くなる(徐脈)ので、動きが緩慢になったり、運動を嫌う(運動不耐)ようにもなります。再生不良性の貧血が起きてくる事もあります。これらの臨床症状は必ず出現する訳ではなく、どれか一つだけであったり、一見して異常は認められないものの、健康診断で発覚するケースもあるんですよ。

甲状腺機能低下症は7歳以上がほとんど!

甲状腺機能低下症のほとんどは7歳以上のワンちゃんに認められ、それ以下の年齢で認められることはあまりありません。

普段から甲状腺機能低下症のワンコを診察する機会は多いですが、7歳以下で認められたのは私の経験上では10匹もいませんでした。このように7歳以下では甲状腺機能低下症に絶対ならないとは言いきれませんが、滅多に見る事はありません。7歳以下でも何かしら症状がある場合は別ですが、私の病院では定期健診で血液検査をする際は、7歳以上から甲状腺のホルモンを追加で測定するようにしています。7歳以上になれば健康診断の内容に組み込むくらい、比較的よく遭遇する病気だと思って頂くと良いと思います。

さて、甲状腺は喉の部位にある小豆くらいのごく小さな臓器なので、外から見ても絶対にわかりません。甲状腺がガン化して腫れている場合は別として、熱心に喉の辺りを触っても触ることはできません。ですので、甲状腺機能低下症を疑う所見はその症状しかありません。

ここで、一般に獣医の教科書に載っている典型的な症状を挙げていきます。基本的な考え方は、上に書いたように代謝が落ちることによって起こる弊害だと思ってもらったらOKです。

良く認められるものとしては、ラットテイル(尾が脱毛し、ねずみのように毛のない尻尾になること)、色素沈着(皮膚が黒ずんでくること)、角化異常(皮膚のターンオーバーが異常をきたし、皮膚が分厚く固くなったり、フケが増えたりすること)、再発性の皮膚感染症や外耳炎、活動性の低下、悲劇的顔貌(顔の筋肉が弛緩し悲しそうな顔つきになること)、肥満、徐脈であり、要するにほとんどが老化を示唆するような症状です。

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